(※写真はイメージです/PIXTA)

空き地は、ただ持っているだけでも固定資産税がかかってしまいます。そのため、持っていた土地を厚意で知人に貸していたが、やはり借地料を請求したい、有償契約に切り替えたいと考え直すという方もいます。そこで実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、西明優貴弁護士に借地契約を変更する際の注意点などを解説していただきました。

 

無償で貸していた祖父の土地、有償契約にできるのか?

相談者の祖父は、ご自身が遠方に持っていた土地を知り合いにゲートボール場として無償で貸す契約を交わしていました。しかし契約満了して約4年が経過、そのまま変わらず現在もゲートボール場として使用されているようです。

 

契約書には「契約を更新できる」と記載されていたようですが、相手側から相談者へ更新したいという意志表示は特にありませんでした。

 

下記の2点について気になっている相談者は、ココナラ法律相談「法律Q&A」に質問を投稿しました。

 

(1)契約満了後の約4年分に関して、借地料を請求することができるのか。

 

(2)もし相手側が今後、契約更新の意思を示してきた際、無償ではなく有償に契約の内容を変更することは可能なのか。

この種の事案ではアクションする前に証拠固めを!

質問(1)について

【結論】

 

可能性はありますが、祖父へのヒアリングをしてから最終的に判断しましょう。

 

【理由】

 

借地料を請求するには、借地契約(書)において、月間〇〇円、年間〇〇円などといったような借地料に関する定めがあることが必要です。

 

本件では、無償で貸していた、すなわち、借地料の定めはなかったようです。よって、借地料を請求することはできません。なお、もともと請求することが出来なかったものが、契約満了後に突然請求することができるようになる根拠もありません。

 

しかし、これでは、相手側は、契約が満了しその後更新の意思表示もなく終了したはずなのに、土地を無償で利用し続けられることになってしまいます。

 

そこで、相談者様は、権限のない者に財産を利得されたことによって損失を被ったとして、不当利得返還請求権という民法上の権利を行使することが考えられます。但し、この種の事案では、相手側が祖父との間で「■■と約束した」などと主張することがありますから、まずは祖父へのヒアリングをしましょう。

 

また、損失の認定は、固都税程度では費用対効果の問題が出るおそれがありますので、使用料相当額もキチンと算出しましょう。

 

なお、裁判例を調査したところ、建物あるいは工作物の撤去もあわせて求めることが多そうです。

 

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