
情報が溢れかえっている現代において、企業が熾烈な競争のなかで付加価値をもち、生き残っていくには「ウェブブランディング」が必要不可欠です。本連載ではグッドデザイン賞の受賞歴もある事業家・デザイナーの佐野彰彦氏が、著書『経営者のためのウェブブランディングの教科書 新装改訂版』から、企業価値を高めるためのウェブブランディングの方法について解説します。
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ウェブサイトを制作することは、自らを見つめ直すこと
ウェブブランディングはウェブサイトを起点としてブランディングを進めていく活動ですから、自社のウェブサイトを制作することがきっかけになります。しかし、いきなりウェブサイトのデザインやコンテンツをつくり始めるわけではないことは、これまでお伝えしてきたとおりです。
ブランディングは「コンセプトづくり」から始まります。自社の理念を見つめ直し、どのような価値や魅力があって、一言でいうとどういうことなのかを突き詰める作業から始めます。
コンセプトづくりはブランディングの成否を分けるといっても過言ではないくらいとても重要な工程です。「あれもできるし、これもできる」では相手に伝わらないので、一点に集中することです。
たとえば、酒造メーカーが「カジュアルに、美味しいお酒を。」というコンセプトを設定すれば、この一文だけでこれまで日本酒に馴染みのなかった人に気軽にお酒を楽しんでもらうために活動する会社なのだ、という企業の意思と姿勢が感じとれます。
このように、自社の価値や魅力が一言で表現できるレベルまで、コンセプトを磨き上げる必要があるのです。そしてその作業は経営者だけでなく、社員を巻き込んで進めていくようにします。なぜなら、その取り組みこそがインナーブランディングの活動の始まりとなるからです。
これまでの会社の歴史や現在最も売れている商品とその理由、お客様からよくかけてもらう言葉、これからどんなことに挑戦していきたいか、社員は自社のことをどのように感じているのか、さまざまな角度から議論を重ねていくプロセスが欠かせません。
ウェブサイトを制作するということは、自社の旗印を改めて掲げ、社内外に表明するということです。そのように考えると、まずは徹底的に自社を見つめ直すことから始める必要があることに気づきます。
ウェブブランディングでは、ウェブサイトの見た目をいきなりつくり始めることはしません。じっくりと自社のコンセプトを組み立てること、すなわち自分自身を深く掘り下げることから始めます。
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