既存顧客の意見・自分の体験からの想像を活用する
心理を先読みする方法3|既存顧客へのヒアリング・アンケート
既存のお客様へヒアリングしたりアンケートに協力いただくことも有効です。既存顧客はかつて見込顧客であった存在ですから、大いに参考になる情報が集まるはずです。
ヒアリングやアンケートをする際は、「過去・現在・未来」の3つの時間軸に沿って質問をすることがポイントです。
「過去」では、なぜこの商品を購入したのか、購入の決め手となったのはどこか、迷った商品はあったか、など顧客になるきっかけとなった要因について聞きます。
「現在」では、今それを使用してどう感じているか、購入したことで何が変わったか、などを、「未来」では、改善してほしい点はあるか、知人にこの商品をすすめるとしたらどう伝えるか、などを聞きます。
このような質問から得られた回答はコンテンツ企画を立てるための情報としてだけでなく、商品開発の観点でも重要なデータとなります。
心理を先読みする方法4|自分の体験から想像する
「もし、自分が顧客の立場だったらどうか」を想像することは非常に大切なことです。
他人の心理を深く窺い知ることは容易ではありませんが、自分の気持ちなら深く洞察することができます。当然費用もかかりません。
次項では自分の体験を利用し、顧客心理と結びつける方法をご紹介します。より深いレベルでターゲット心理を先読みするために有効な方法となりますので、参考にしてください。
自分の心理を掘り起こし、ターゲット心理を読み解く
Mac・iPhone・iPadなど、次々とイノベーティブな製品を世に送り出しているアップルは「マーケティングをしない会社」といわれています。ユーザーがこれまでに体験したことのないようなものをつくる先進的なメーカーですので、既存概念の範囲で顧客アンケートを集めたところで意味を成さないのです。
しかし顧客の感動を創出することにおいてこれほど長けている企業は、歴史的にも稀だといえます。アップルは既存のデータが存在しない、まだ誰も体験したことがないレベルのモノづくりを行っている企業です。そこに存在しているのは顧客自身でさえ未知の心理を先読みする姿勢なのです。つまり既存概念でのマーケティングではなく顧客心理研究という概念において、圧倒的な深度のマーケティングを行っているともいえます。
前項ではターゲット心理の先読み方法についてリサーチ会社を利用する方法やQ&Aサイトを参考にすることなどを紹介しましたが、それは既存概念の範囲で行う調査に過ぎないことを念頭におくべきです。基本的な顧客ニーズの把握という意味では大いに参考にするべきですが、それのみでは他社に勝てるようなコンテンツを生み出すことは難しいのです。
ブランディングとは競合の渦中から一歩でも二歩でも抜け出し、独自のポジションを得るためでもあります。他社が行っているのと同じような調査で、同じような考察をしているだけでは、飛躍させることは難しいのです。