深いレベルのニーズに迫るためのフレームワーク
イノベーティブな企画を生み出すためにはアップルのように、顧客でさえ気づいていない「深いレベルのニーズ」に触れるところまで考察するべきなのです。そのためには、この「自分の体験を利用して顧客心理を深く洞察する方法」は極めて有効です。
前置きが長くなりましたが、私が実行しているフレームワークに沿って紹介します。
設定は「ハウスメーカーのブランディングの企画」とし、目的は「新規顧客の開拓」とします。ハウスメーカーですので、ターゲットは当然「新築住宅を建てたい人」です。
フレームワーク1|商品の特徴ワードを書き出す
「新築住宅」とは、いったいどんな特徴があるのか、思いついたことを書き出してみます。
たとえば「とても高い」「一生に一度買うかどうか」「毎日使う」「次第に古くなる」「メンテナンスが必要」「家族の同意が必要」など、なるべくたくさん書き出します。
フレームワーク2|特徴ワードを自分が購入したことがある他のものに置き換える
「フレームワーク1」で書き出した特徴ワードを「とても高い→車、時計、楽器」、「一生に一度買うかどうか→結婚(指輪・式場・相手)、世界一周旅行」、「毎日使う→歯ブラシ、食器、車」というような要領で、自分の購入体験があるものに置き換えていきます。
フレームワーク3|置き換えた商品の中で頻度の高いものをピックアップする
「車」「楽器」「結婚」など、「フレームワーク2」で置き換えたものの中から、頻度の高いものをピックアップします。
フレームワーク4|それを購入した時どんな心理状況だったかを思い出す
「フレームワーク3」でピックアップしたものは「あなたが購入した経験のある中で、最も新築住宅に近いもの」ということになります。それをあなたが購入した時、「どんなことを重視したか?」「どんなことを比較したか?」「どんなことを知りたいと思ったか?」「どんなことを不安に感じたか?」……など、自分自身の体験を思い出してみます。人の気持ちを想像することが苦手な人でも、自分自身の実体験であれば思い出すことはできるはずです。
フレームワーク5|再度もとの商品に置き換える
「フレームワーク4」で過去の体験をもとに、自分の心理状況を思い出したわけですが、その心理をターゲットの心理へアジャストさせることで完成です。