サイト訪問者の心理・ニーズを的確に「先読み」して自社の魅力の虜にするシンプルな方法

サイト訪問者の心理・ニーズを的確に「先読み」して自社の魅力の虜にするシンプルな方法
(※写真はイメージです/PIXTA)

情報が溢れかえっている現代において、企業が熾烈な競争のなかで付加価値をもち、生き残っていくには「ウェブブランディング」が必要不可欠です。本連載ではグッドデザイン賞の受賞歴もある事業家・デザイナーの佐野彰彦氏が、著書『経営者のためのウェブブランディングの教科書 新装改訂版』から、企業価値を高めるためのウェブブランディングの方法について解説します。

深いレベルのニーズに迫るためのフレームワーク

イノベーティブな企画を生み出すためにはアップルのように、顧客でさえ気づいていない「深いレベルのニーズ」に触れるところまで考察するべきなのです。そのためには、この「自分の体験を利用して顧客心理を深く洞察する方法」は極めて有効です。

 

前置きが長くなりましたが、私が実行しているフレームワークに沿って紹介します。

 

設定は「ハウスメーカーのブランディングの企画」とし、目的は「新規顧客の開拓」とします。ハウスメーカーですので、ターゲットは当然「新築住宅を建てたい人」です。

 

フレームワーク1|商品の特徴ワードを書き出す

「新築住宅」とは、いったいどんな特徴があるのか、思いついたことを書き出してみます。

 

たとえば「とても高い」「一生に一度買うかどうか」「毎日使う」「次第に古くなる」「メンテナンスが必要」「家族の同意が必要」など、なるべくたくさん書き出します。

 

フレームワーク2|特徴ワードを自分が購入したことがある他のものに置き換える

「フレームワーク1」で書き出した特徴ワードを「とても高い→車、時計、楽器」、「一生に一度買うかどうか→結婚(指輪・式場・相手)、世界一周旅行」、「毎日使う→歯ブラシ、食器、車」というような要領で、自分の購入体験があるものに置き換えていきます。

 

フレームワーク3|置き換えた商品の中で頻度の高いものをピックアップする

「車」「楽器」「結婚」など、「フレームワーク2」で置き換えたものの中から、頻度の高いものをピックアップします。

 

フレームワーク4|それを購入した時どんな心理状況だったかを思い出す

「フレームワーク3」でピックアップしたものは「あなたが購入した経験のある中で、最も新築住宅に近いもの」ということになります。それをあなたが購入した時、「どんなことを重視したか?」「どんなことを比較したか?」「どんなことを知りたいと思ったか?」「どんなことを不安に感じたか?」……など、自分自身の体験を思い出してみます。人の気持ちを想像することが苦手な人でも、自分自身の実体験であれば思い出すことはできるはずです。

 

フレームワーク5|再度もとの商品に置き換える

「フレームワーク4」で過去の体験をもとに、自分の心理状況を思い出したわけですが、その心理をターゲットの心理へアジャストさせることで完成です。

 

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経営者のためのウェブブランディングの教科書 新装改訂版

経営者のためのウェブブランディングの教科書 新装改訂版

佐野 彰彦

幻冬舎

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