(※写真はイメージです/PIXTA)

筋トレ初心者の場合、いくつかの挫折ポイントがあります。人によってさまざまですが、必ず起きる「何も変わらない」というジレンマです。還暦から筋トレを始めた城アラキ氏が著書『負けない筋トレ 還暦から筋トレにハマったら、「肉体」と「人生」が激変した!』(ブックマン社)で解説します。

「挫折ポイント」初心者と経験者の違い

■初心者の壁

 

しかし初心者の場合、いくつかの挫折ポイントがある。まずは筋肉痛だ。何年ぶり、何十年ぶりに突然筋トレなどすると、翌日、ないし翌々日の筋肉痛は「ベッドから起き上がれない。筋トレなんて絶対ムリ!」と思わせるほど強烈だ。この壁は丹念なストレッチと「モーラステープ」を貼りまくって乗り切るしかない。

 

ちなみに、後で述べるトレーニング方法の実際では、この最初の筋肉痛を避けるためトレーニング量をかなり調整している。ちなみに筋肉痛はトレーニングに効果があった証明にはならない。筋肉痛が起こらないとトレーニング不足かと心配になるが、そんなことはない。

 

次の壁は人によってさまざまだが必ず起きる。「何も変わらない」というジレンマだ。最初のうちこそ扱う重量は日に日に、面白いように増える。自体重のスクワットを10回やるだけで悲鳴をあげていたのが、20㎏のバーベルシャフトを担げるようになる。

 

ただしそれが30㎏、40㎏となると伸び率が低下してきてやがて止まる。どうやっても上がらない。そのくせ体重は減らないしもちろん見た目も変わらない。食事を減らしたり増やしたり、サプリを飲んでみたりしてもピタリと止まって動かない。これが壁だ。

 

初めて筋トレをすると、この壁は自分だけに訪れるもので、だから自分には筋トレなど向かないと考えてしまう。そのうち飽きてやる気がなくなる。違うのだ。実は10年、20年と筋トレを続けているコンテストビルダーでも、レベルは違えど必ず何度も何度も壁に当たって悩んでいる。

 

では初心者と経験者の違いは何か。経験者は「壁は必ず訪れる。そして打ち破れる」と、わかっていることだ。こんなことを原作に書いたことがある。

 

「壁が行く手をさえぎっているんじゃない。
立ちはだかる壁の前までようやくたどりついたんだ。
あとは超えるだけじゃないか」

 

90日間だけは変化を信じて頑張ってみよう。

 

■初心者のトレーニング時間は45〜60分を超えない

 

トレーニングは時間から内容を逆算する。基本は45分から長くても60分。これは体力に加え集中力を維持するのに限界があるため。気がつくと漫然とただ回数だけをこなしていることも多い。危険だし効果も薄い。

 

トレーナーがついている場合は、プレートのセットをやってもらえるが、ひとりの場合はプレートのセットにも1分ほどかかる。仮に1種目が1セット=3秒(上げるのに1秒、下げるのに2秒)×10回=30秒。休憩1分で3セット行うとすると合計最短でも210秒かかることになる。余裕を見て約4分。トレーニング時間を仮に45分とすると、前後のストレッチを除くとトレーニングは6〜8種目が限界だ。

 

よくジムで、目に付いたマシンを1、2セットやっては次から次へ移っていく人がいるが、あれでは正直、まったく効果はないと思う。これを防ぐためにもキチンとしたプログラムが必要になる。

 

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本連載は、城アラキ氏の著書『負けない筋トレ 還暦から筋トレにハマったら、「肉体」と「人生」が激変した!』(ブックマン社)より一部を抜粋し、再編集したものです。

負けない筋トレ

負けない筋トレ

城 アラキ

ブックマン社

『ソムリエ』『バーテンダー』など、数々のお酒にまつわる傑作漫画の原作を手掛けてきた著者は自他ともに認める酒呑みであり、美食家だ。3日に一度は暴飲暴食。仕事柄、1日の歩数が500歩なんてザラだった。運動もしない日々を…

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