(※写真はイメージです/PIXTA)

トレーニング歴と体のデカさは、ジムで持ち歩くペットボトルに入れた液体のケバケバしさとその巨大さに比例します。2ℓのペットボトルにBCAAを溶いて持ち歩いているベテランも多いのです。還暦から筋トレを始めた城アラキ氏が著書『負けない筋トレ 還暦から筋トレにハマったら、「肉体」と「人生」が激変した!』(ブックマン社)で解説します。

トレーニングの合間に摂取するアミノ酸

【ジムへ行ってからは】

 

▶トレーニングギアをどうするか

 

トレーナーさんについているならその指示に従えばいい。初心者だからむしろ安全のために使った方がいいという考え方と、最初はギアに頼らぬ重量でフォームを確実に覚えるべきという考えの両方がある。

 

私の場合は最初から使っていたので(道具に凝る方ですから)トレーナーさんも今さら外せとは言いづらい。だから以下は私ではなくトレーナーさんの意見でもある。ちなみに以下のギアを筋トレの「3点セット」などという。

 

▶グローブ

 

経験の長いトレーニーほどあまり使わない。まともなグローブがなかった頃からトレーニングを始めているし、競技系(ベンチプレスやパワーリフト)ではルール上、そもそも使用できない。還暦初心者トレーニーの場合や女性はあった方がいいと私は思う。マメができるとそれだけでシャフトを握るのも辛いから気力が萎える。

 

▶パワーグリップ

 

シャフトに巻き付け握力を補助するギア。背筋のトレーニングのプル(引く)系の動作は全部のトレーニングのなかで最も高重量を扱う。たとえばデッドリフトでパワーグリップがないと背中を刺激する前に握力が耐えられない。これは必要だ。ベルト式とゴム式があるが、ゴムの方が扱いが楽。

 

▶ウエストベルト

 

腹圧をかけて体幹に力を入れるためウエストに巻く革製(が、多い)の幅広ベルト。簡単に言うが腹圧のかけ方は意外に難しい。そもそも私自身、巻く位置が少し下過ぎていたと今回初めて知った。トレーナーさんもオヤジには「そこは少し違いますよ」とはなかなか言いづらい。自分を含め、なんとなく気分で巻いているという人も多い。そのくせ急に外すとちょっと不安になるからやっかいだ。

 

あるジムでのこと、私と同年代の男性が伸び縮みする柔らかい布の腰痛ベルトを巻いてスクワットをしていた。あれはさすがに「そりゃ意味が違います」と誰か声をかけた方がよくないか。ということでスクワットなら60㎏程度、あるいは自体重を超えないうちはベルトなしで正しいフォームを覚えた方がいい。と、これは我がトレーナーからのアドバイスだ。

 

▶ウエアは露出度高め、靴は古靴

 

ジムの新会員用のガイダンスで「服装は何でもいいので楽な格好で」と説明しているのを横で聞いて「おいおい、オヤジにそりゃ雑過ぎ」と内心呟いた。スニーカーなど底の厚い物は足首がぐらついて危険だ(最近また超厚底傾向だし)。ウエイトリフティング用に専門の靴もあるが、そこまで凝らなくても、せめてできるだけ底が薄くて堅いものがいい。履き古した靴が最適だ。

 

ウエアも恥ずかしいくらいピチピチで露出度が高いものの方がいい。ジムではマシン同士の距離が意外に狭いのでダブダブだとひっかける。露出度多めだと筋肉の動きも確認でき意識も向けやすい。着慣れたランパンとランニングシャツがいちばんのおすすめ。ただし私の場合、高重量で膝に負担のかかる足トレのときだけは「cw‒x」(サポートタイツ)を履く。これは実際の膝関節の保護というより、単に安心感かもしれない。

 

▶水筒にはスポーツ飲料ではなくBCAA

 

トレーニング歴と体のデカさは、ジムで持ち歩くペットボトルに入れた液体のケバケバしさとその巨大さに比例する──と、思えるほど。2ℓのペットボトルにBCAAを溶いて持ち歩いているベテランも多い。水分摂り過ぎじゃないかとも思うけど。

 

それにしても、輸入のBCAAの色合いはさながら極彩色のジェリービーンズ。味もレモンとかライムはわかるがアイスティーとかコーラ味とか不思議なものもある。誰もそこに美味しさなど求めてないからいいのだろうけど。ちなみにいわゆるスポーツ飲料を飲んでいる人はほとんど見たことがない。スポーツ飲料は塩分と糖分主体のため、トレーニング中はアミノ酸系飲料を摂りたいからだ。

 

BCAAはトレーニング中の筋分解を防ぎエネルギーを補給すると言われている。私は500㎖の水筒にそのときの気分でいろんな味のBCAAを5gとレモン果汁、蜂蜜を加えている。効果の方は正直よくわからない。ただの水よりいいだろう程度の理由だ。最近はBCAAではなくEAAを入れることも多い。

 

▶プロテイン+糖質

 

トレーニングが終わったら30分以内にプロテイン。これが筋肉のゴールデンタイムと言われて久しい。このとき、同時に吸収の早い糖質も一緒に摂った方がいいというのも定説だった。私のお気に入りは米麹で作った甘酒。江戸の昔から「飲む点滴」とされてきたし。

 

……が、最近、プロテインの摂取タイミングはそれほど厳密にこだわらなくていいという説や、プロテインと糖質は同時に摂らなくてもいい説も登場して悩ましい。栄養理論もどんどん細分化していって、素人には正の判断がつかなくなっているのが困る。

 

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本連載は、城アラキ氏の著書『負けない筋トレ 還暦から筋トレにハマったら、「肉体」と「人生」が激変した!』(ブックマン社)より一部を抜粋し、再編集したものです。

負けない筋トレ

負けない筋トレ

城 アラキ

ブックマン社

『ソムリエ』『バーテンダー』など、数々のお酒にまつわる傑作漫画の原作を手掛けてきた著者は自他ともに認める酒呑みであり、美食家だ。3日に一度は暴飲暴食。仕事柄、1日の歩数が500歩なんてザラだった。運動もしない日々を…

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