ニトリの決算書を例に解説!
決算書にはいくつかの種類があります。本記事ではそのなかから、損益計算書と呼ばれるものについて解説します。損益計算書は会社の経営成績をあらわしている決算書です。損益計算書は、英語ではProfit and Loss Statementですので、略して、PLと呼ばれることが多いです。
さっそく、決算書を見てみましょう。まずは例としてニトリの決算書、正確にいうと、ニトリホールディングスの連結の決算書(グループ全体の決算書)を見てみます。グループ会社を束ねている会社を持株会社といいますが、ニトリホールディングスはニトリの持株会社です。
ニトリホールディングス(以下、ニトリ)のPL[図表]の一番上をご覧ください。PLの一番上は、どの会社も、メインの収益が載っています。メインの収益というと、ほとんどの会社は「売上高」です。会社によっては「売上高」ではなく、「営業収益」とか「売上収益」などと記載されていている場合もあります。
ニトリのPLの一番上は「売上高」ですね。ニトリは主に家具を売っていますが、ニトリのグループ全体が1年で売った金額がこの「売上高」です。
いくらかというと716,900ですね。「71万……」と読んでしまいそうですが、単位は百万円です。「716,900百万円」を71万……百万円とは読まないでください。それでは、いくらかわかりませんね。日本語の万・億・兆という単位に読み替えましょう。「7,169億円」になります。ざっと7,000億円ですね。
数字は3桁ごとに「,(コンマ)」で区切ります。決算書は千円単位や百万円単位のこともよくあります。これは欧米の表記がもとになっています。英語では、千はthousand、百万はmillionと数字の3桁の区切りごとに読み方が対応しています。
日本人にとっては千・百万より、万・億・兆のほうが頭に入ってきやすいので、千円・百万円単位の数字も、万円・億円・兆円に読み替えるようにしましょう。「7」「1」「6」「9」「0」「0」と6つの数字がありますが、大切なのは最初の数字です。
売上高で会社の大きさを読み解く
上1桁か、せいぜい、上2桁。それ以下の細かい数字は、決算書を読むうえではあまり重要ではありません。ただ、桁は大切です。700億か、7,000億か、7兆かというのは大きく違います。
では、売上高7,000億円というのは、どういう数字なのでしょうか。私たちは、たとえばランチなら、300円は安い、2,000円は高い、とわかります。でも普通に日常生活を送っていると、7,000億円という数字に出合うことはありません。7,000億円がどういう数字なのか、あまり実感がない人も多いはずです。まずは、こういう大きな数字の感覚をつかむところからはじめましょう。