銀行が強める「高齢者への厳しい目…」。今の時代「相続対策をしない」は通用しない理由【行政書士が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「親に数年会っていない」「家族との仲が悪い」──こうした状態が、「成年後見」を招く要因となります。また、多くの人にとって「相続」と「認知症」は人生後半における大きな課題です。もし、この二つの課題が同時期に重なってしまうと──資産が凍結されて「自分のお金が使えない」という最悪の事態を招いてしまいます。石川秀樹氏の著書『家族信託はこう使え 認知症と相続 長寿社会の難問解決 』(ミーツ出版)より、人生において知っておくべき「相続と認知症」「成年後見」に関して書かれた箇所を、一部抜粋してお届けします。

60代は老後のスタートライン

家族信託の相談を受けてその家族のこれからを考えると、冷静にならざるを得ません。計画が破綻しないように、信託財産が空っぽにならないように、と思えば「家計のリスク管理をしましょう。孫にいい顔をしてもいいですが、限度は計算しましょうね」という助言にもなるのです。

 

高齢期の人生がずっとバラ色ならいいのですが、本当に。

 

でもここ10年で、認知症リスクは無視できない状況になってきました。最近の銀行の高齢者を見る目は非常に厳しいです。「意思能力」などという言葉がこれほどまじめに行内で飛び交っている時代はなく、実際に多くの銀行が“お客さまの安全のために”と口座を止めることまでしています。ということは、今ある老後資金さえあなたの健康次第ではおろせなくなる可能性がある、ということです。

 

でも今のところ、わたしたちはまったく不用意。

 

また数字で恐縮ですが、日本の65歳以上の高齢者は3,589万人。成年後見制度の申立者は今年急増しましたが、それでも年間4万人弱。成年後見制度を現に使っている人は24万人です。これって、高齢人口の0.67%にすぎません。認知症の人が800万人だとしても3%。「資産凍結が不安だ」といっても、実際に成年後見制度にまで追い込まれる人はまだまだ少なく、『まぁ、何とかなるだろう』が通っているわけです。

「相続対策、何もしないでも大丈夫」は通用しない

少し安心しましたか? でも正直にいえば、代替手段を使っている家族はヒヤヒヤなのではないでしょうか。親が認知症になっても(それが銀行に知られたとしても)、安心して使える手段は今のところ、三菱UFJ銀行の予約型代理人だけです。使い勝手は、必ずしも「よい」とまではいえませんが。

 

ここまで、生前対策の決め手である認知症対策ツールを集中的に書いてきました。親の認知症で挫折、なんてことだけは避けてほしいですからね。でも、まだ先があるんです。あなたは何もしてないのではありませんか? 相続対策です。不用意に相続を迎えて大丈夫なほど、「今の相続」は生やさしくはありません!

 

ここからは私の主張です。というより、私がこの本で本当に書きたかったこと。皆さんに伝え、考えてもらい、そして、ぜったいに実行してもらいたいことを書いていきます。

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    静岡県家族信託協会 代表・ジャーナリスト・行政書士
     

    1950年静岡市生まれ。早稲田大学第一政経学部卒。静岡新聞記者40年、元編集局長。62歳で相続専門の行政書士開業。2016年に家族信託に出会う。同時に成年後見制度を知ることとなり、記者として家族として疑問に思うことが多く、2018年7月静岡県家族信託協会を設立。『静岡県家族信託協会のブログ』で晩年の諸問題について解決法を提起している。

    著書:
    『認知症の家族を守れるのはどっちだ!? 成年後見より家族信託』
    『家族信託はこう使え 認知症と相続 長寿社会の難問解決』

    1950年静岡市生まれ。
    1973年3月 早稲田大学第一政経学部卒業
    1973年4月 静岡新聞社に入社
    2004年3月 編集局長
    2012年8月 新聞社退職後、行政書士に
    2016年3月 家族信託を手掛け普及に乗り出す
    2016年11月 『大事なこと、ノート』刊行
    2017年11月 家族信託のパンフとヒヤリングシート作成
    2018年5月 静岡県遺言普及協会を設立
    2018年7月 静岡県家族信託協会を設立
    2019年4月 『認知症の家族を守れるのはどっちだ!? 成年後見より家族信託』を出版
    2022年10月  『家族信託はこう使え 認知症と相続 長寿社会の難問解決』 を出版


    静岡県家族信託協会(ホームページ)
    ジャーナリスト石川秀樹(Facebook)

    著者紹介

    連載家族信託はこう使え! 認知症と相続 長寿社会の難問解決

    家族信託はこう使え 認知症と相続 長寿社会の難問解決

    家族信託はこう使え 認知症と相続 長寿社会の難問解決

    石川 秀樹

    ミーツ出版

    人生後半には2つの危機が待っています。「認知症」と普通の家の「相続」です。 《相続がなぜリスクなのか、ですって!?》実は今、日本では相続がヤバイ! 生前の認知症は、意思能力喪失を理由に、自分の資産が凍結されて「…

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