(※写真はイメージです/PIXTA)

「親に数年会っていない」「家族との仲が悪い」──こうした状態が、「成年後見」を招く要因となります。また、多くの人にとって「相続」と「認知症」は人生後半における大きな課題です。もし、この二つの課題が同時期に重なってしまうと──資産が凍結されて「自分のお金が使えない」という最悪の事態を招いてしまいます。石川秀樹氏の著書『家族信託はこう使え 認知症と相続 長寿社会の難問解決 』(ミーツ出版)より、人生において知っておくべき「相続と認知症」「成年後見」に関して書かれた箇所を、一部抜粋してお届けします。

相続は、あなたやあなたの家族を苦しめた認知症以上に、難題です。「何もしないでもうちは大丈夫」、はまず通用しない。資産が有り余る家族でも、それほどない家族でも、です。

 

事前の対策や家族間の周到な根回し、そして適正なツールを適切なタイミングで使う技術。さらに、やると決めたら断固としてそれを実行する意思がなければ、この相続の壁は乗り越えられません。

 

イラスト

 

イラストは、拙著『認知症の家族を守れるのはどっちだ⁉成年後見より家族信託』の中で使ったものです。普通の人が行なうであろう相続対策をイラストにしました。3年前の私の視点です。今でも「相続対策」といえば、これと同じようなことをやっている人が多いかと思います。

 

前著で言いたかったのは、「これって、あなたの生前対策にはなってないですよね」ということ。警告です。「黄色の円内を見てください。認知症対策がスッポリ抜けている。そこをしっかり手当しましょうよ」と。

 

相続対策は的外れでも、何もしないよりはまし。「相続」に意識を向けることは正しい道ですからね。でもこれらの項目は、いずれも業界目線です。あなたがしたいより、相続対策を売りものにしている人たちの“おすすめ”のテーマ。必ずしもあなたや、あなたの家族を援けるための対策ではありません。

 

ほぼほぼお金のことばかり。あなたを抜きにして、「あなたが亡くなったらこうなりますから」の心配ばかり。そして少しでも税金は免れたい。そんな対策です。

 

認知症対策で懸命に走り続けてきた行政書士としての10年間を振り返ると、わたし自身、「ドーンっ!」としたシナリオを持っていなかったなぁ、と冷や汗が出てきます。はじめは世間の相続や終活といった“狂騒”に参陣することに懸命でした。そこから「認知症の問題」に気づき、生前対策こそが要だ、とかじを切り直してきたのです。

 

家族信託はこう使え 認知症と相続 長寿社会の難問解決

家族信託はこう使え 認知症と相続 長寿社会の難問解決

石川 秀樹

ミーツ出版

人生後半には2つの危機が待っています。「認知症」と普通の家の「相続」です。 《相続がなぜリスクなのか、ですって!?》実は今、日本では相続がヤバイ! 生前の認知症は、意思能力喪失を理由に、自分の資産が凍結されて「…

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