テレアポで話した内容を履歴としてシステム内に蓄積
もう1つ、A社は新たな取り組みとしてテレアポを始めることにしました。あらかじめターゲットとなる地域を絞り、リスト販売業者から、顧客候補となりうるビルや企業のリストを購入。リストは一般的にExcelで使われているようなCSV形式だと、すぐにシステムに取り込むことができます。
さて、システムに取り込んだリストをもとに、複数のアポインターが順番に電話をかけていくのですが、ここまでであればシステムに取り込むところ以外は、よくあるテレアポの姿と大きく変わりません。何が違うのかというと、システムを使う場合、アポインターが話した内容を履歴としてシステム内に蓄積していけることです。
例えば50社にアタックしたとします。このうち半数近くのターゲットが、空調設備に関する悩みや問題点について似たようなコメントを残していたとしたら、そのコメントの内容について対応を協議することで、受注獲得のチャンスを生み出すことができるはずです。
また、システム内にどのような情報を残していけば、効果的・効率的に商談へとつなげていくことができるかがわかるようになりますので、優先順位の高い情報については、リストの中にプルダウンで表示できるような機能を追加するなどの工夫も凝らしました。要するに、自社の営業精度を上げていくために、より使いやすいリストに育てていくことができるようにしたわけです。
さて、その結果はどうなったでしょうか。もちろんテレアポから、実際のアポイントにたどり着けて商談に入ったら、商談の中で得た情報もシステムに蓄積。最終的に受注に至ったらそのまま既存の情報をもとに、わずかな時間で受注台帳を作成することができましたので、ここでも大幅に管理スピードがあがり、大きく手間を省くことができています。
同時に、受注案件に対しての原価、コスト計算もシステムに登録された情報や現場に入った職人の日報などから、瞬時に割り出せるようになっています。特に、人工単価が原価としても出るので現場の様子がクリアに見えるようになり、粗利計算などにおいても正確な情報を把握することができるようになりました。
【業務統合システム導入で生まれる「便利」】
・事例経験を余すことなく整頓し、次の一手への道筋が見えやすくなる
・キャッシュの流れを制御し、無駄な出資をなくす
小松延顕
株式会社Office Concierge(オフィス コンシェルジュ)
代表