「Aランク顧客」を必ず掴む〈住宅販売企業〉…成約率アップのための驚きの営業手法【DX成功事例】

「Aランク顧客」を必ず掴む〈住宅販売企業〉…成約率アップのための驚きの営業手法【DX成功事例】

中小建設業を取り巻く経営環境は厳しさを増す一方のなか、DXによる生き残り戦略に成功した企業の事例を紹介していきます。今回は「Aランク顧客」を必ず掴む住宅販売企業が実践した、成約率アップのための驚きの営業手法をみていきましょう。

 

住宅内覧会で業務統合システムを活用した事例

データの蓄積により成約率を上げていく

注文住宅の販売を行っている企業で、次のような業務統合システム活用例があります。

 

お客様がご依頼になった家が完成し、受け渡しまで1週間お借りして内覧会を開催しました。内覧会には、これから自宅の設計を依頼したいお客様が集まります。目標人数を決め、徹底したアプローチで内覧会は盛況でした。注目すべきはここからです。

 

同社の営業は、お客様個々にアンケートをとり、そのアンケートをすぐに業務統合システムに入力。同社の設計に関心が強い方や、ニーズが強い方を優先的に、商談に向けた具体的なアタックに入りました。当然ながら、優先度とニーズキャッチの精度がかみ合っているので成約率は高まります。ここで営業1人当たりの売上は高くなります。

 

また内覧会への誘導に使ったチラシのデータを都度残してあり、どのようなチラシだと集客精度が上がり、どのようなチラシだと集客効果がなかったのかも蓄積していました。どのチラシを見てきたお客様が、成約率が高くなったかを知っておくと、必然的に気の利いたトークができるようになっています。

 

同時に、次に内覧会を仕掛ける際には、効果が上がっているチラシのデザインをベースにリデザインすることで、チラシ制作にかける思考・判断スピードも速くなりました。さらには受付担当者が誰だったというデータも残しており、アンケートの受付満足度と照らし合わせて、満足度が高いという回答が多い受付担当者をキャスティングすることで、さらに成約率アップにつなげています。

 

この企業の内覧会も、最初はAランクの顧客が決して多くはなかったはずです。しかし、その絶対数を底上げしていくために、業務統合システムを活用し、次第にAランクの比率を増やしていくことに成功しました。比率を増やすということが、人的コストにダイレクトな影響を及ぼしているわけです。

 

内覧会を行う住宅販売系企業は多いでしょうが、最初から目標集客人数を決め、アンケート結果を業務統合システムに含めて、1つ1つのイベントの費用対効果を測定していく企業と、毎回手探りの暗夜行路を歩いている企業とでは、圧倒的な差が生まれるであろうことが予測できるのではないでしょうか。

 

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本記事は、小松延顕氏が監修した『10年後に生き残るための 建設DXの現在地 デジタル化で目指す持続する中小建設業』(サンルクス)から一部を抜粋し、再編集したものです。

10年後に生き残るための 建設DXの現在地 デジタル化で目指す持続する中小建設業

10年後に生き残るための 建設DXの現在地 デジタル化で目指す持続する中小建設業

小松 延顕

サンルクス

ウッドショックや石油値上げによる原材料費の高騰。人口減少による慢性的な人手不足や2024年に迫る働き方改革の実現など、中小建設業を取り巻く経営環境は厳しさを増す一方です。その解決のため「DX=デジタルトランスフォーメ…

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