「デジタル化」により便利になった日々の業務。しかし、デジタル化が進んだだけでは「DXに成功した」とはいえないと、コンサルティングファームの株式会社Office Concierge(オフィス コンシェルジュ)代表の小松延顕氏はいいます。その理由を詳しく解説します。

業務のデジタル化で便利になったが…

もちろん皆様は常日頃、最大限の経営努力をもって業務に取り組まれていることと思います。しかし、それを最も効率的に動かす仕組みができているかと問われれば、「もしかして、もっと効率化できるかもしれない」と思われるのではないでしょうか。実際に、業務の端々には、この効率化は既に多く見られています。

 

例えば、Excel。これは主に数値計算、データ集計および分析、グラフ化などに使われるツールであるのが一般的ですが、もっと細分化すると、次のような業務に関わっています。

 

【事務関連業務】

データ入力・管理、表・グラフの作成、企画書・提案書・見積書等作成など

 

【経理関連業務】

経理の集計全般、帳票管理、請求書発行、給与や報酬の計算など

 

【営業・人事・他】

顧客リストの作成、採用情報管理、提案資料作成、システム設計など

 

これらの作業を現在当たり前のようにパソコンおよびExcelで行っているでしょう。では、パソコンやExcelがない時代には、どうやっていたか。当然、手書き、手作業で行っていたわけです。いったいどれほどの時間がかかるのか、想像する(思い出す)だけでも身震いしそうです。

 

ほかにも、ここ1~2年で一気に普及したオンラインミーティングシステムが出る前には、直接取引先に行って打ち合わせをしたり話を聴いたりする必要があるため、移動時間がとにかくかかっていたはずです。しかしオンラインミーティングの一般化により、移動時間を大胆に削減することができています。

 

また、パソコンや関係ソフトが登場する前は、打ち合わせで得た内容はすべて担当個人の手帳や日報にしか記されておらず、社内共有もままなりませんでした。そのため「この案件は誰々さんしかわからないので帰社を待つしかない」など、顧客からの問い合わせ対応にもいたずらに時間がかかっていたりもしました。

 

余談ではありますが、1960年代前半までは、新聞社の記者が現場から写真を本社に送る際には、伝書鳩を使っていたそうです。現場に伝書鳩を連れていき、鳩の足や背中に通信筒を取り付けて空に放すわけです。一羽のみだと、移動中にハヤブサやタカといった猛禽類に襲われる可能性もあるため、数羽連れて行っていたようでした。パソコン普及以前の日常は、今からすると、まるで別世界のように見えます。

 

それが、今では、ExcelやPower Pointといったアプリケーションだけでなく、勤怠管理ソフトや経理ソフトをパソコンおよび社内ネットワークに置くだけで、オートメーション化できる作業領域が大変増えています。パソコンないし社内ネットワークという「箱」の中に、必要に応じてさまざまなツールがまとめられ、先に例に挙げたスマートフォンのように、劇的な利便性を日常業務に導入することが当然の時代になっています。

 

しかし、ここで申し上げたいのは、スマートフォンやパソコンがあれば便利だということではありません。

 

次ページ本当に利便性を高めるのは「情報の統合と連携」

本記事は、小松延顕氏が監修した『10年後に生き残るための 建設DXの現在地 デジタル化で目指す持続する中小建設業』(サンルクス)から一部を抜粋し、再編集したものです。

10年後に生き残るための 建設DXの現在地 デジタル化で目指す持続する中小建設業

10年後に生き残るための 建設DXの現在地 デジタル化で目指す持続する中小建設業

小松 延顕

サンルクス

ウッドショックや石油値上げによる原材料費の高騰。人口減少による慢性的な人手不足や2024年に迫る働き方改革の実現など、中小建設業を取り巻く経営環境は厳しさを増す一方です。その解決のため「DX=デジタルトランスフォーメ…

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