「プーチンは悪い政治家である。しかし…」多くのロシア人が独裁者を許容しているワケ

「プーチンは悪い政治家である。しかし…」多くのロシア人が独裁者を許容しているワケ

ウクライナ侵攻によって、より独裁者としての色を強めた現ロシア大統領のウラジーミル・ウラジーミロビッチ・プーチン。世界中から批判を受ける彼が大統領に居座り続けられるのはなぜなのでしょうか。大統領就任前からプーチンを追う元外交官で作家の佐藤優氏が、現地でみた「ロシアの教育」と「ロシア人の政治に対する捉え方」を解説します。

許容できる独裁…「代わりとなる人材もいない

2000年にプーチンが大統領に就任して以降も、ロシアにはそこそこの言論・表現の自由があった。プーチンが設定した「ゲームのルール」──すなわち「経済人は政治に嘴を差し挟まず、金儲けに専心し、税金をきちんと納める」という原則さえ守れば、経済活動も自由にできた。

 

「そもそも良い人は政治家にならない。プーチンは悪い政治家である。しかし、うんと悪い政治家、とんでもない政治家ではない。まあ、この程度の独裁者ならば許容できるだろう」

 

これがロシア大衆の平均的感覚なのだ。

 

普通のロシア人とプーチンについて議論すると、

 

「昔のような熱い支持はないよ。もう飽きた。しかし、プーチンの代わりに大統領を務めることができる人もいない。メドヴェージェフの小僧が大統領をやったが、力量不足だ。あいつは、ツイッターで軽々に発信する。それに英語でちゃらちゃら話をするあたりが軽い。プーチンのような恐さがなければ、ロシアで大統領は務まらない」

 

という返事が返ってくる。プーチンをぼろくそに非難するのは、親欧米的な世界観をもった一部の知識人とジャーナリストしかいなかった。

 

 

佐藤 優
作家・元外務省主任分析官・同志社大学神学部客員教授

 

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※本記事は、佐藤優氏の著書『プーチンの野望』(潮新書)から一部を抜粋し、GGO編集部にて再編集したものです。

プーチンの野望

プーチンの野望

佐藤 優

潮出版社

ロシアとウクライナの歴史、宗教、地政学、さらには外務官僚時代、若き日のプーチンに出会った著者だからこそ論及できるプーチンの内在的論理から、ウクライナ戦争勃発の理由を読み解き、停戦への道筋を示す。 〈戦争の興奮…

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