機械化された大規模で高品質な米作地帯の改革を目指す
チャン・タイン・ナム農業・農村開発省副大臣は、「100万ヘクタールにも及ぶ水田の高品質で持続可能な生産」について、「ベトナムの声」(VOV)のインタビューに応じた。
─2050年を見据えた「ベトナムの持続可能な農業・農村開発戦略2021-2030」を実現するために、農業・農村開発省が実施している大規模原料地帯のプロジェクトについて教えてください。
長年にわたり、ベトナムの米部門は重要な成果を上げてきました。これまでに、米の生産に特化した地域の80%が認証を取得し、国内消費と輸出の要件を満たしています。
持続可能な開発と高品質の米生産地を実現するためには、米の製品価値を高め、米農家の所得を増加させる必要があります。
そこで、農業・農村開発省は、国際環境会議、特にCOP26で首相が約束したように、商品価値を高め、温室効果ガス排出を削減する高品質米産地プロジェクトを展開しています。高品質な米産地として認可されるには、米の品種、持続可能な農業、バリューチェーン、機械化、デジタル化、トレーサビリティなどに関する要素を満たす必要があります。
まずは、国内外の消費者の要求の高まりに対応するために、米の品種を認証する必要があります。つまり、食糧安全保障を確保し、消費者の栄養ニーズと高度な加工を可能とする要件を満たし、米から付加価値のある製品を生み出す品種でなければならないのです。
第二に、持続可能な農業は、温室効果ガスの排出を減らし、資源を節約し、生態系を保護しなければなりません。
第三に、農家や協同組合の協力・提携を促進し、生産コストを削減し、価値を高め、関係者の利益を確保することが必要です。
第四に、大規模で高品質な米作地帯を機械化し、より同期的なインフラシステムへの投資が必要です。デジタル化、トレーサビリティ、およびシステム統合技術により、病気の予防、管理、自動散水が促進されることとなります。
高品質な米の生産は、農家に利益をもたらすだけでなく、温室効果ガスの排出削減、資源の節約、米副産物の再利用などに貢献する持続可能な農業にも適用されます。
「世界市場の需要」視野に
─高品質米原料生産地域の開発における関係者の役割と責任とは何ですか?
高品質米の産地形成には、特に計画や支援体制において、当局、産業界、機関が共同で取り組むことが必要です。業界関連団体や企業は、農産物の品質、効率、付加価値を確保するため、投入資材の調達や生産物の消費において主導的な役割を果たします。
稲作農家や協同組合は、標準化された工程に従って生産し、生産を再編成する役割を直接的に担っています。また、農業改良普及部隊は、国の科学技術的な知識や政策を農家に伝える橋渡し的な役割を担っています。
科学技術の成果を移転し、世界市場の需要に応じて米生産の発展傾向を方向付けるためには、国内外の研究機関、大学、国際機関(特に国際稲作研究所)からの支援も必要です。
─100万haの高品質米のプロジェクトを遂行するために、何をする予定ですか?
首相が、100万haの高品質米生産プロジェクトを開発するよう省に指示した後、各省庁や地方公共団体に実施計画を作ってもらう方針となりました。このプロジェクトは、現状の具体的な米の生産地を意味するのではなく、「そのような生産地を形成するため」の基準を意味します。
同省はメコンデルタの各省、協会、協同組合、企業と協力し、温室効果ガス排出量の少ない高品質な米生産地域の形成に参加する人々を募っています。米生産地の形成には、関係者の参加と資金や技術などの資源が必要なため、時間がかかることが見込まれます。
同省は、このプロジェクトが米の価値と農家の収入を高めるという期待に応えられるよう、各ほか省庁、地方、企業、協会、協同組合の参加を呼びかけています。