なぜメモすることは認知症予防に役立つのか…メモの驚きの効用 (※写真はイメージです/PIXTA)

物忘れがひどくなり、アルツハイマー型認知症と診断されても、すべての機能がダウンしているわけではないのです。ものを考え、アウトプットすることができます。物忘れするようになったら、工夫が必要です。老人医療に詳しい精神科医の和田秀樹氏が著書『80歳の超え方 老いは怖くないが、面倒くさい』(廣済堂出版)で解説します。

認知症は全部の機能がダウンするわけではない

■認知症になったら、メモ魔になろう

 

認知症の当事者で本も書かれている丹野智文さんだけでなく、認知症になった当事者の方が本を書いたり、マスコミで発言されたりしています。

 

そこには、認知症になったからすべてがダメになるわけではないというメッセージがあります。

 

若い認知症当事者の方たちも物忘れがひどくなってきたときに、それぞれ工夫しています。それは、ノートやカレンダー、スマホ機能を大いに利用するということです。

 

この方法は、高齢者のボケ力を鍛えるためにも参考になると思うので、認知症当事者の方たちの本も読んでみるといいでしょう。

 

認知症でも活躍されているみなさんを見ると、物忘れはけっこう進行しています。いま会った人との会話や顔を忘れたり、講演会でホテルに泊まれば自分の部屋を覚えたりすることができません。

 

それでも、彼らは人前で自分の考えを話します。質問にも答えます。

 

物忘れがひどくなり、アルツハイマー型認知症と診断されても、すべての機能がダウンしているわけではないのです。ものを考え、アウトプットすることができます。

 

ただ、物忘れするようになったら、工夫が必要です。先ほどの丹野さんにしても考えたことやアイデアはすぐにメモしていると思います。そうして、講演会のときはじっくり自分で原稿をつくっています。

 

私も最近では、いいアイデアが出てもすぐにメモしないと、「あれ、何かいいこと思いついたのにな」と忘れてしまうことがあります。

 

ネットで見た研究が参考になると思い、あとで読もうと思ったら、「お気に入り」に入れておくか、名前をメモしていないと思い出せないこともあります。「夜にネットで読もう」と自分を信じて覚えているつもりが、その間にたくさんの雑事をこなしていると、「ネットで読もう」と思ったことさえ忘れてしまいます。あなたの日常にもそういうことは多くなったのではないでしょうか。

 

自分を過信せず、思いついたこと、予定、人の名前、あらゆることはメモをする。付箋に書いて貼っておく。5年日記や10年日記もいいかもしれません。日記には会った人、日々の雑事、種を蒔いたこと等を書いておけば、あとで「去年は今頃こんなことしたんだ」と思い出せます。家族や知人の誕生日や命日も記しておけば、毎年忘れることもないでしょう。

 

本当に認知症になってからメモを取ることをやろうと思っても、面倒になり、うまくいかないこともあります。

 

これも習慣です。70代からメモを取り日記をつける。亡くなるまで続ける人は多くいらっしゃいます。

 

書くというのもアウトプットです。アウトプットそれ自体がよい脳トレとなるというメリットもあります。

 

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    ルネクリニック東京院 院長

    1960年生まれ。
    東京大学医学部卒業。
    東京大学医学部附属病院精神神経科助手、アメリカカール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、「和田秀樹こころと体のクリニック」を開院。
    30年以上にわたって高齢者専門の精神科医として高齢者医療の現場に携わる。
    『自分が高齢になるということ』(新講社)、『年代別医学に正しい生き方 人生の未来予想図』(講談社)、『六十代と七十代 心と体の整え方』(バジリコ)、『「人生100年」老年格差』(詩想社)『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)、『80歳の壁』(幻冬舎)など著書多数。

    著者紹介

    連載人生100年時代を豊かな心で健康に生き抜くための処方箋

    本連載は和田秀樹氏の著書『80歳の超え方 老いは怖くないが、面倒くさい』(廣済堂出版)より一部を抜粋し、再編集したものです。

    80歳の超え方 老いは怖くないが、面倒くさい

    80歳の超え方 老いは怖くないが、面倒くさい

    和田 秀樹

    廣済堂出版

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