(※画像はイメージです/PIXTA)

同じ時間に就寝し起床する習慣をつけ、コンディションを整えていくことが、勉強の継続とパフォーマンスアップにつながります。「学習計画表」を確実に実行していくには何が必要なのでしょうか。プロ家庭教師集団「名門指導会」代表の西村則康氏が著書『難関校合格のすごい勉強習慣』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

子どもの「自分への声かけ」をフセン貼り

■まずは親御さんがいろいろ貼ってみる

最後に、3つの「見える化」の③「子どもの自分への声かけをフセン貼り」です。

 

たとえば、毎朝、起床後に計算と漢字の学習を「スピーディー」に行うことを計画表に記したら、「がんばれそう?」「がんばれるように、何か書いておこうか」などと、計画表についてざっくばらんに話してみます。

 

※計画表(第12回参照)の、該当部分になります
※計画表(第12回参照)の、該当部分になります

 

そうすると、たいてい子どもは、はりきって「超スピードでやる!」とか、「楽勝〜!」などと何かしらのリアクションを示すはずです。そういうお子さんの言葉を拾ってあげ、フセンに貼ってみてください。

 

「○○ちゃんは計算と漢字、お母さんは朝ご飯を10分で用意する」と、まずは親子の目標を書いてもいいですね。

 

こうした親御さんのかかわりによって、計画表が子どもにとってぐっと身近な存在になります。この段階を経験できていれば、「○○ちゃんも自分で書いて貼ってみたら?」とうながしたとき、子どもなりの目標や気持ちが言葉になって表れます。

 

学習計画表は、ただつくっただけで効果があるとはいえず、子どもが「自分のもの」にしていくためのステップが必要です。

 

「うちの子は素直に取り組むから」と、お子さんを信頼している親御さんほど、親御さんから完成品を渡すのではなく、まずは一緒にフセン貼りをするプロセスを楽しんでみてください。お子さんがどんなことを感じているのかがわかれば、計画表はさらに効果を発揮します。

 

■勉強に関する言葉以外でもOK

なお、フセンに貼る言葉は、子どもの自由に書かせます。勉強に関する内容でなければいけないということはありません。むしろ、勉強以外の言葉が子どもからどんどん出てくるほうがいいのです。

 

子どもに「何か好きなことを書いて貼ってごらん」とうながすと、土日の遊びの予定や自由時間の過ごし方についてばかりコメントするかもしれませんが、それも大切なことです。1週間という時間の感覚を身につけるために必要な段階ですから、否定せずに「じゃあ、フセンに書いて貼ろう!」と、「乗って」あげてください。

 

次のような角度から「書いてごらん?」と声をかけてみると、子どもが自由に発想しやすくなります。

 

勉強の目標→「10分で完了!」「3ページやる」

自分への励まし→「一発で正解!」「ゆっくり読もう〜」「できる!」

テキスト名を書く→「デイリーサポートのE問題にトライ」「予習シリーズの練習問題をガンバル!」

家族へのメッセージ→「みんなでテレビを見る時間」「おじいちゃんちに行く計画を立てる!」

 

これらはあくまでも一例ですので、ご家庭でどんどん工夫していきましょう。

 

■フセンはどんどん貼り替える

フセンは貼りっぱなしではなく、貼り替えていきます。最初に親御さんの言葉を貼る段階のときから、どんどん貼り足したり書き替えたりしていると、子どもの関心が計画表に向かいやすくなります。

 

子どもが自分でフセンを書けるようになったら、勉強の目標なども「次のテストで××点」「△△単元をがんばる」など、次第に具体的になっていくでしょう。子どもの言葉に対し、「がんばってるね」「いい感じだね」と褒めてあげつつ、勉強へのモチベーションを高めるツールとして計画表を活用していただきたいと思います。

 

西村 則康

プロ家庭教師集団「名門指導会」代表

 

 

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※本連載は、西村則康氏の著書『 難関校合格のすごい勉強習慣』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

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西村 則康

日本能率協会マネジメントセンター

難関校が求める「難問に向き合ったときでも試行錯誤できる子」「自分の頭で考えられる子」を育てる。スピーディー学習、基本的な処理能力を身につけるトレーニング、スロー学習、「いつもどおり」の安定した行動をとらせるため…

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