「スピーディー学習」と「スロー学習」を分ける
次は、3つの「見える化」の②「スピーディー学習とスロー学習を分ける」についてです。計画表(第12回参照)をご覧になればおわかりのとおり、「スピーディー&スロー学習」では、学習を「スピーディー学習」と「スロー学習」に色分けなどして子どもに伝わるように示すのが大きなポイントです。
スロー学習→問題文を最後まで読んで」「図や表に書き起こしたりしながら」「自分で答えを出す」
勉強には、塾の宿題など「スピーディー」にこなすものと、問題の解き直しなど「スロー」に取り組むものという、「速くやるもの」と「ゆっくりやっていいもの」があります。それを意識させ、子ども自身が「これは手早く」「こっちはじっくり」とわかったうえで実践できるようになるには、まず親御さんからの問いかけが必要です。
「どれを速くする?どれをゆっくりする?」あるいは、行動から入るような問いかけでもいいでしょう。
「ストップウォッチを使って解く?ストップウォッチなしでじっくり解く?」
小4の最初はそんなふうに声をかけながら、どんなタイプの学習をどのように学習するといいのかを一緒に考えていきます。ここではまず、小4から小6まで共通するベースについてお話しします。
■毎朝、計算と漢字の学習をスピーディーに10分
勉強を習慣づけ、知識の定着をはかるため、毎朝、学校へ行く前に家庭で学習時間をとります。計算と漢字をそれぞれ10分ずつの「スピーディー学習」です。小4、小5は10分ずつ、小6になれば15分ずつ。登校前の慌ただしい朝に行うからこそ、「スピーディー」に解く習慣がつきます。目覚めのよくない子には、起き抜けに柑橘系ジュースを。
■計算と漢字は、日曜日だけスローに20分
この計算と漢字の学習は、日曜日の朝だけはそれぞれ20分に時間を増やし、「スロー学習」に切り替えます。
計算は、たくさん解くことよりも途中式や筆算も読みやすく丁寧に書くことを大切に、漢字は、トメ・ハネなど細部に注意しながら書く練習をします。上位校の入試試験は、虫眼鏡で国語の漢字の採点をするという話を聞いたことがあります。正確で読みやすい字を書く練習で、本番での取りこぼしを防ぐことができます。
■小学校の宿題はスピーディーに30分で終える
小学校の宿題は、塾のある日もない日も帰宅後すぐにすませます。全部終えて、塾へ行く習慣をつけましょう。