自社全体像の冷静な把握に役立つ「SWOT分析」
自社の売上高やブランドイメージ、売上シェア、経営資源の特徴や技術力を知ることは、自社の全体像を冷静に把握するために大切です。
こうした自社環境を客観的に分析するためのフレームワークが「SWOT分析」です。アメリカの研究者、アルバート・ハンフリーによって1960年代に開発されたといわれています。
SWOT分析では、自社を中心に内部環境である「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」と外部環境である「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つの要素についてチェックしていきます。具体的には、図表2にあげたように四角形を4等分した中にこれら4つの要素を配分しながら整理していきます。
たとえば「強み」としては、ヒト、モノ、カネ、情報に関して他社に対して優位にある自社リソースや、本業における実績、業界における知名度、信頼などが考えられます。
一方「弱み」の例としては、先にあげたような自社リソースが他社よりも劣っていることや、本業における実績が乏しいこと、知名度がないこと、信頼が不足していることなどがあげられます。
また「機会」の例としては、自社の事業の成長に有利に働く外部環境(社会、経済、政治、業界、市場等)の変化が考えられます。
それに対して「脅威」としては、自社の事業の成長に不利に働く上記外部環境の変化をあげることができます。
【SWOT分析のフォームにまとめる】
S:強み O:機会
W:弱み T:脅威
某IT企業のSWOT事例
Strength(強み)
★本業(主力既存製品)における実績
★本業における顧客ベース
★業界における知名度、信頼
★優秀な社員(営業、エンジニア)
★パートナーとの良好な関係
★強固な経営基盤、資金調達力
Opportunity(機会)
★コロナ禍で、リモートワークやデジタルトランスフォーメーション(DX)の導入が加速
★レガシーからクラウドへのトレンド変化
★既存顧客の追加発注期待
★ターゲットセグメントである中堅企業 群は莫大なポテンシャルマーケット
Weakness(弱み)
★最近、有力な新規事業が育っていない
★新規分野における知名度がない
★新規分野のビジネスモデルが不明確
★新規分野の人材、スキルが不足
★新規分野のプロモーション予算が不足
★新規分野の顧客、事例がない
Threat(脅威)
★IT投資の伸び悩み
★日本企業の保守的気質
★本格導入までに時間がかかる(製品評価、お試し期間が必要)
★同業他社との競争激化(価格競争に巻き込まれるおそれあり)
木下 雄介
カッティング・エッジ株式会社 代表取締役
中小企業診断士
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