ビジネスアイデアを駆使し、組織のメンバーなら新規プロジェクトをスタート、起業家なら事業の立ち上げを実現――。しかし、本格的な勝負はここからが本番です。ライバルを圧倒し、シェアを大きく獲得しなければなりません。本記事では、競争市場の中で勝ち残る条件を見つけ出す「3C分析」について見ていきましょう。
自社の「現状」と「あるべき姿」を把握する、3C分析
自社の「現状(As-Is)」と「あるべき姿(To-Be)」について、ミクロ環境分析の手法で把握してみましょう。そのためのフレームワークとして「3C分析」を利用します。
3C分析では「自社(Company)」、「競合(Competitor)」、「顧客(市場)(Customer)」の3つの環境が分析対象となります。それぞれの英語のイニシャルが全てCであることがその名称の由来です。
3C分析の目的は、競争市場の中で勝ち残るための条件を見つけ出すことにあります。言い換えれば、KSF(Key Success Factor)の抽出にあります。KSFは一般に「主要成功要因」と訳されており、つまりは目的や戦略を成功させるためのカギとなる要因のことです。
下記のように3C(自社、競合、顧客〈市場〉)には、さらにそれぞれ適した環境分析手法があります。
①自社環境分析──SWOT分析
②競合環境分析──5F分析
③市場環境分析──STP分析
①では自社の強み・弱み、機会・脅威に関して、②では競合とその状況などに関して、③では市場の環境や顧客ニーズなどに関して具体的な形でリサーチを行っていくことになります。
次ページではまず、①の「SWOT分析」で自社環境を見ていくことにしましょう。
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カッティング・エッジ株式会社
代表取締役
中小企業診断士
1986年、慶應義塾大学経済学部卒業
2002年、テキサス大学オースティン本校マコームズビジネススクール交換留学
2003年、神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程(MBA)修了
2008年、MITスローン経営大学院 Executive MOT修了
1986年、日本アイ・ビー・エム(株)に入社。社内公募によりジョイントベンチャーを立ち上げ、IBMロゴの製品化を実現。1997年、当時、SFAのパイオニア企業であった米国シーベルシステムズ社の日本上陸に伴い、創業メンバーとして参加。西日本地区の責任者としてビジネスを立ち上げる。その後複数のベンチャー企業立ち上げを経て、2008年、タレントマネジメントのグローバルリーディングカンパニーであった米国サクセスファクターズ社(現SAP社)にスカウトされ、日本法人を設立し、代表取締役社長に就任。ゼロからビジネスを立ち上げ、日本におけるタレントマネジメントシステムの市場を切り拓く。その後、日本オラクル(株)、サービスナウジャパン(合)の事業責任者を経て、独立。現在は、自身の会社であるカッティング・エッジ(株)を設立し、中堅・ベンチャー企業に対するコンサルティングを行う傍ら、ビジネススクールにて「新規事業開発」講座等を担当し、後進の育成に努めている。
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