ゼロからビジネスアイデアを創出するのは大変です。また、冷静に自社を分析することも難しいといえます。ここでは、自社環境を客観的に分析する「SWOT分析」より、一層精緻な分析が行える「クロスSWOT分析」、そして競合環境を分析する手段、「5F分析」について解説します。
クロスSWOT分析で戦略を検討する
自社の売上高やブランドイメージ、売上シェア、経営資源の特徴や技術力といった自社環境を客観的に分析するためのフレームワークが「SWOT分析」です(『自社全体像の冷静な把握に役立つ「SWOT分析」』参照)。
SWOT分析では、自社を中心に内部環境である「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」と外部環境である「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つの要素についてチェックしていきます。
SWOT分析をより精緻に行う手法としては、その応用版というべき「クロスSWOT分析」があります。
クロスSWOT分析では「機会」「脅威」と「強み」「弱み」の4つを組み合わせて状況の分析を行い、戦略を立案していきます。組み合わせのバリエーションに応じて、次のような4つのタイプの戦略がありえます。
①「機会」と「強み」
強みを最大限に活かして、機会を積極的に取り込んでいく(積極的攻勢)。具体的には、既存顧客に新製品を売り込み、実績をつくり、その成功事例を使って新規市場を開拓する戦略などが考えられます。
②「機会」と「弱み」の組み合わせ
弱みを補強し、機会を逃さないようにする(段階的施策)。たとえば、即戦力の人材の中途採用や、若手の研修に力を入れ、人材の強化を図り、市場拡大に備えることなどがあげられます。
③「脅威」と「強み」の組み合わせ
強みを最大限に活かして、脅威に対して防衛する(差別化戦略)。具体的な方策としては、独自のサービスを確立して他社との差別化を図り、価格競争を回避することなどが考えられます。
④「脅威」と「弱み」の組み合わせ
脅威から回避する方向を探る(戦略的撤退)。たとえば、立ち上げ段階では自社の実績のない業界(市場)には参入しない方針を立てることなどがあげられます。
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カッティング・エッジ株式会社
代表取締役
中小企業診断士
1986年、慶應義塾大学経済学部卒業
2002年、テキサス大学オースティン本校マコームズビジネススクール交換留学
2003年、神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程(MBA)修了
2008年、MITスローン経営大学院 Executive MOT修了
1986年、日本アイ・ビー・エム(株)に入社。社内公募によりジョイントベンチャーを立ち上げ、IBMロゴの製品化を実現。1997年、当時、SFAのパイオニア企業であった米国シーベルシステムズ社の日本上陸に伴い、創業メンバーとして参加。西日本地区の責任者としてビジネスを立ち上げる。その後複数のベンチャー企業立ち上げを経て、2008年、タレントマネジメントのグローバルリーディングカンパニーであった米国サクセスファクターズ社(現SAP社)にスカウトされ、日本法人を設立し、代表取締役社長に就任。ゼロからビジネスを立ち上げ、日本におけるタレントマネジメントシステムの市場を切り拓く。その後、日本オラクル(株)、サービスナウジャパン(合)の事業責任者を経て、独立。現在は、自身の会社であるカッティング・エッジ(株)を設立し、中堅・ベンチャー企業に対するコンサルティングを行う傍ら、ビジネススクールにて「新規事業開発」講座等を担当し、後進の育成に努めている。
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