M&Aというと、資金力のある大企業が行うものと考えられてきましたが、大きく変化しています。経営者が高齢化しても後継者が見つからず、会社を手放さざるを得ない中小企業が急増していて、資産形成や脱サラなどを目的に、個人が会社や店舗を買収するケースが増えています。株式会社M&Aナビ社長の瀧田雄介氏が著書『中小企業向け 会社を守る事業承継』(アルク)で解説します。
個人がM&Aで会社を買う時代
■一つの案件に複数の買い手候補
M&Aプラットフォームでは幅広い業種・業界の案件を扱っていますが、当初はインターネットを使ったサービスということもあり、IT・ソフトウェア関連の会社が目立っていました。
しかし今後は、買い手会員の増加や事業承継問題という社会的背景から、製造業など他業種の伸びが見込まれ、業種・業界の分布も変化してくると予測しています。
なお、買い手として登録しているのは東証一部上場企業から中堅、中小零細までの企業、もしくは起業を志しているものの一から立ち上げるのではなく、M&Aで既存のビジネスを買って始めたい個人です。多様な買い手がいるのでマッチングの可能性が高くなります。
■複数の買い手候補からオファーがあり迅速なクロージングに向かいやすい
M&Aプラットフォームに譲渡したい会社・事業を匿名で掲載すると、複数の買い手候補が名乗りをあげることが多く、売り手からするとマッチングの相手を選ぶことができるのもメリットでしょう。オンラインを活用するので、オファーから短期間でクロージングに至るのも特長です。
「M&Aナビ」の場合はサービス公開後(手数料完全無料化前)、債務超過案件を除くマッチング案件の平均売却額は約500万円でした。ここからも、中小規模のM&Aが行われていることがわかります。
瀧田雄介
株式会社M&Aナビ 代表取締役社長
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株式会社M&Aナビ
代表取締役社長
1990年生まれ。広島県出身。大手業務基幹パッケージベンダー株式会社ワークスアプリケーションズにて、人事・給与プロダクト開発に従事。その後、スタートアップ企業にてサービス開発を経験し、ソフトウェア開発会社を設立。M&A ナビの開発に当初より関わり、2019年1月取締役CTOとして株式会社ALIVALに参画。2021年2月に代表取締役社長就任、商号も株式会社 M&A ナビに変更する。日本の事業承継問題を解決できるような新たなプラットフォームの創出を目指す。後継者不足で悩む経営者と親密な関係を築いている地域金融機関がM&Aのメインプレイヤーになるべきという想いから、現在は、自社サービスを地域金融機関にSaaS として提供し、地域金融機関のM&A・事業承継のDXを支援する。
株式会社M&Aナビ
https://ma-navigator.com/
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