M&Aプラットフォームとは
中小企業の事業承継に大きな役割を果たすことが期待される、M&Aプラットフォームについて紹介・解説します。
■インターネットを使い低コスト・スピーディにM&Aを実施するサービス
M&Aプラットフォームとは、インターネット上のシステムを使ってM&Aの売り手と買い手を結び付けるサービスを指します。近年はメルカリのような「モノ・サービスを必要とする人」と「モノ・サービスを提供する人」を橋渡しするビジネスが増えていますが、そのM&A版と考えるとイメージしやすいでしょう。
基本的には売り手・買い手の双方が会員としてサービスに登録し、売り手は売却案件情報、買い手は買収条件などを登録。買い手側が売却案件情報をチェックしたうえで、気になる売り手に交渉を打診し(逆のパターンもあり)、双方が合意に至るとマッチングが成立します。
なぜ、こういったサービスが登場したのか。当然ながらテクノロジーの進化もありますが、中小企業の事業承継問題とも無関係ではありません。
そもそも、株式評価やデューデリジェンス(DD)など、フルサービスを提供するM&A仲介会社が対応する案件は、売上高1億円以上の中規模〜大規模案件です。この場合、M&Aアドバイザーによる手厚いサポートを受けながらマッチングを進めますが、かかる手数料は数千万円単位と高額にのぼることもあります。
よって、M&A仲介会社を利用できるのは、売り手・買い手ともに上場企業やそれに準じる規模など、限られた法人になってしまいます。フルサービスの場合は、マンパワーの関係で、M&A仲介会社は小規模の案件に関わりたくても関わることができないのです。
ところが、これでは中小企業の事業承継問題は解決しません。そこで注目されているのが、システムを使うことで人件費を抑え、サービスも簡素化、低コストで使うことができるM&Aプラットフォームです。
アメリカでは「Businessforsale.com」などのサービスが1990年代後半に、欧州でも2000年代初頭にいくつか生まれ、日本でもここ数年でサービスが普及し始めました。具体的には当社の「M&Aナビ」や「TRANBI(トランビ)」、「BATONZ(バトンズ)」などが有名です。