家賃下落リスクが低い収益物件とは
▶リスク④家賃の下落
築年数が経過し、建物と部屋の老朽化がすすめば家賃も下落していきます。そして、家賃水準は主に立地と部屋自体の魅力によって決まります。
■家賃が下がりにくい物件の条件
家賃が落ちづらい物件とは、将来にわたって高い収益性が見込める物件です。具体的には次の要素を持っている物件が該当します。
・将来にわたって賃貸需要のある立地であること(都内23区)
・最寄り駅から近いこと(徒歩10分以内が目安)
・ターミナル駅まで近いこと(直通が理想)
・分譲タイプの鉄筋コンクリート造のマンション
・オートロック完備
・バス・トイレ別
このなかでもっとも大切なのが立地です。立地を外してしまうと、いくらそのほかの要素を満たしていても、家賃は築年数の経過とともに下落してしまいます。
一方で、東京23区のワンルームマンションであれば、新築の賃料水準を100とした際に築20年以降は80前後で推移し、それほど家賃の下落が見られない傾向があります。ある程度築年が経過した都心の物件を購入することで、購入後の家賃変動リスクは最小限に抑えられます。
加えて、設備の交換やリノベーションなど再投資を行い、相場平均以上にお部屋の魅力を高めることも効果があります。
■バス・トイレの仕様で家賃水準は変わる!
ただし、比較検討の際は室内設備の「ユニットバス」の仕様によって、家賃水準が大きく異なることに注意が必要です。
1988年から1994年に分譲されたバブル期タイプのワンルームマンションと、1995年から1999年までに分譲されたマンションの平方メートルあたりの平均賃料を見ると、その差は大きく開いていることがわかります。
1988年から1994年に分譲されたワンルームの平方メートルあたりの賃料は3535円で、ワンルームの平均的な広さである20平方メートルに換算すると7万700円になります。
一方、1995年から1999年までに分譲されたワンルームは3813円で、ワンルームの平的な広さである20平方メートルに換算すると7万6260円です。(日本財託が2021年5月~同7月に販売した物件データより)
1994年頃を境に、バスとトイレが一体となっている3点式ユニットバスからバスとトイレが別の仕様になっていることから平方メートルあたりの賃料に差が生じています。
実際はお部屋の専有面積が16~19平方メートルのバブル期マンションと、25平方メートルを超えることもある築年数が浅いマンションで、表面上の家賃にはもっと大きな差が生じてくるわけです。
重吉 勉
株式会社日本財託 代表取締役社長
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