投資目的でマンションを所有している人のなかには「めんどうくさい」と管理組合へ積極的に参加しないケースが多いのも事実です。しかし、投資という目的に立ち返ったとき、そのような態度で本当にいいのでしょうか。24,000戸以上を管理する不動産会社の代表の重吉勉氏が著書『不動産投資が気になったらはじめに読む本』(金風舎)で解説します。
サブリースは本当に必要か検討すべし
■賃貸管理契約の種類特徴(集金代行とサブリース)
賃貸管理会社を選ぶことと併せて、どのような管理契約を結ぶかも決めなければなりません。物件の賃貸管理には「集金代行契約」と「サブリース契約」の主に2種類があります。
▶集金代行契約
集金代行契約は賃貸管理会社がオーナーの代理人として、入居者から家賃を集金しオーナーへ送金する契約です。そのほかにも、入居者募集やトラブル対応、退去後の敷金の精算対応・内装工事手配など、さまざまな「大家業」を代行します。
▶サブリース契約
サブリース契約は、不動産会社がオーナーから物件を借り上げて入居者に転貸する契約方式です。オーナーにとっては不動産会社が借りてくれることから、空室の心配がなく安定して家賃収入を得続けることができます。
ただし注意が必要なのは、満額の家賃収入が受け取れないということです。これは、家賃の一部を不動産会社が手数料として受け取る仕組みとなっているからです。相場で言えば、家賃の1~2割程度でしょう。
そもそも、安定した賃貸需要のある立地で不動産投資を行えば、空室リスクは抑えることができます。賃貸需要が旺盛な地域であれば、あえてサブリース契約を選ぶ必要はありません。
またサブリース契約に関しては、2020年12月に賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律、いわゆる「サブリース規制法」が施行されました。これまで、サブリース契約に関するトラブルが多発したことを受けてのことです。
いずれにしても、不動産投資はサブリース契約を必要としない立地や物件の条件が一番望ましいのは事実です。サブリース契約を勧められている場合には、本当に必要かどうか検討しましょう。
株式会社日本財託
代表取締役社長
1962年生まれ。石川県小松市出身。早稲田大学社会学部中退。
1990年、株式会社日本財託を設立するが、まもなくバブル景気が崩壊。それまで羽振りのよかった不動産会社が次々と倒産。地獄のような苦しみを味わうなか「生き残るには地道な固定収入が大切だ」と気づき、「不動産業の原点は管理業だ」と確信する。
31年間の賃貸経営サポート業務を通じ、失敗した人を多く見たこと、そして自分自身もバブル崩壊で失敗した苦い経験があることなどから「失敗しないための不動産投資法」などのセミナー活動を積極的に行う。「管理を通じてお客様と一生涯のお付き合い」を経営理念として、日本で最も信頼される不動産会社を目指している。
著書に『中古ワンルームマンションで収益を上げる!』『東京の中古ワンルームを3戸持ちなさい』『中古ワンルームは「東京23区」を買いなさい!』『中古ワンルーム2戸からはじめる家賃40万円稼ぐ黄金の法則』『今すぐ東京の中古ワンルームを買いなさい!』『低金利時代の不動産投資で成功する人 失敗する人』(いずれもかんき出版)がある。
2021年8月末現在、オーナー数は8,677名、24,341戸を管理。年間平均入居率98%という、他社には類を見ない高い入居率を維持している。
日本財託グループ
http://www.nihonzaitaku.co.jp/
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