(画像はイメージです/PIXTA)

義親の介護疲れ、在宅期間中のストレス、女性の社会進出など、さまざまな要因から長年連れ添った夫婦が熟年離婚を選択するケースが増えています。一方で、生涯添い遂げるつもりだった配偶者から突然離婚したい旨を告げられてしまった方の心労は計り知れません。そこで実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、熟年離婚や、浮気をした側からの離婚請求を回避する方法について安田 剛弁護士に解説していただきました。

浮気した夫が弁護士を立て、離婚を請求

相談者のDreamさん(女性・仮名)は有責配偶者である夫から、離婚したいとの申し出を受けました。

 

結婚26年の熟年夫婦で、お子様は既に成人して独立されています。Dreamさんの夫は一年前からマンションを借りて、浮気相手の女性と一緒に暮らしているそうです。Dreamさんは離婚を望んでいないため、離婚の申し出に応じないでいたところ、Dreamさんの夫が依頼した弁護士から面談の連絡がありました。

 

そこでココナラ法律相談「法律Q&A」に次の2点について相談しました。

 

(1)代理人との話し合いに応じて不利になる事は避けたいが、離婚回避したい場合、夫側の弁護士への対応をどうすればいいか。

 

(2)夫と直接話したいが、私も代理人を立てると離婚の方向に進んでしまうのか。

相手の同意なく離婚ができるのはどんな場合?

日本において離婚のやり方は、大きく分けて協議離婚、離婚調停、離婚訴訟の3種類となります。

 

このうち、協議離婚と離婚調停については、夫婦の双方が離婚すること(および離婚に際しての条件)について合意に至って初めて、離婚ができるということになります。

 

一方、離婚訴訟については、離婚を求める側が訴訟を始め、訴えられた方が離婚に同意しない場合であっても、裁判所が離婚を認める事由の証明ができれば、裁判所が離婚を認めてくれるという仕組みになっており、必ずしも相手の同意のいらない離婚といえます。

 

そして、離婚訴訟における裁判所の考え方として「有責配偶者(離婚の原因となる事由を作った側)からの離婚の訴えは厳しく制限する」というものがあります。具体的には何年も別居期間を続けないと、有責配偶者からの離婚の訴えは認められません。

 

今回の場合、ご相談者の夫は、浮気相手と住んでおり、不貞をしている有責配偶者となります。そしてご相談者の夫からの離婚の訴えは、何年も別居をしないと認められません。つまり、ご相談者の夫は、ご相談者が離婚に同意しないまま離婚をするという選択肢である離婚訴訟を直ちには取れない状況といえます。

 

ご相談者の夫が離婚をするためには、ご相談者の同意を得て、協議離婚か離婚調停による方法しかありません。

 

このような状況において、ご相談者の夫側の弁護士がまず気にしているのは、ご相談者が離婚に同意してくれる可能性がありそうか、ということです。

 

ご相談者が浮気をされたことに怒っていて一刻も早く離婚したがっているか、離婚をするにしても条件次第であり慰謝料などをきちんと支払ってもらうことを希望しているのか、あるいは何が何でも離婚には反対なのか、など、ご相談者の考えを少しでも知りたいというのがご相談者の夫の弁護士の考えだと思われます。

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