(画像はイメージです/PIXTA)

『昼顔』などのドラマや映画でも話題になったダブル不倫。近年では、既婚者サークルで婚外恋愛を楽しんでいる方もいるようです。しかし当人の配偶者や家族にとっては容易に受け入れられるものではなく、トラブルに発展するケースも多くあります。そこで実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、ダブル不倫について米盛太紀弁護士に解説していただきます。

資産家の娘とダブル不倫。慰謝料は請求するべき?

相談者のななつ星さん(女性・仮名)は、夫と不倫相手(Aさん)がダブル不倫をしていたことを知りました。

 

夫とAさんがやりとりをしていたSNSは削除されたようですが、Aさんから「配偶者からDVを受けているので離婚したい」と相談されたのが不倫のきっかけだそうです。

 

ななつ星さんとAさんで話した時に、夫とAさんのSNSのやりとりを見たAさんの息子(成人)が「母をたぶらかした」として、夫に慰謝料を請求するつもりだということを聞きました。

 

ななつ星さんの夫曰く「Aさんの実家が強力な弁護士をつける可能性があり、負けるかもしれないのでこっちから慰謝料請求するのは得策ではない」と言われているようです。また不倫期間中、ななつ星さんの夫はAさんから交際費と少しまとまったお金をもらっていました。

 

そこでななつ星さんはココナラ法律相談「法律Q&A」に、次の4点について相談しました。

 

(1)Aさんの息子からAさんの夫の代わりに慰謝料請求されることがあるのか
(2)交際費としてもらったお金は、今後裁判になった場合不利になるのか
(3)こちらからの慰謝料請求は様子を見て、相手からの出方を待った方がよいのか
(4)もし相手より先に慰謝料請求した場合、不貞行為が確定され、それをもとに向こうの家族から慰謝料請求される可能性があるのか

押さえておくべき、ダブル不倫の問題点

1、ダブル不倫の法律問題

(1)慰謝料請求できる人/される人


ダブル不倫の場合、慰謝料請求をできる人は「配偶者に不倫をされた人」です。つまり、本件では、相談者とAさんの夫も慰謝料請求の権利を有することになります。

 

また、慰謝料請求をされる人は「不倫をした2人」です。すなわち、不倫相手および配偶者の両者に対して慰謝料請求することができます(なお、配偶者に対する慰謝料請求は、通常、離婚時の離婚慰謝料として請求することが多いです)。

 

そのため、相談者は、Aさん及び相談者の夫に慰謝料請求をすることができます。それと同様に、Aさんの夫は、相談者の夫とAさんに対して慰謝料請求をすることができます。

 

このようにダブル不倫のケースでは、慰謝料請求する権利が相談者夫婦とAさん夫婦の間で交差する関係であることをまずは十分に理解しておく必要があります。

 

(2)慰謝料を支払った場合

 

ダブル不倫の問題では「求償権」という考えを理解する必要があります。
法的に不倫問題は共同不法行為として扱われます。つまり、不倫をした当事者は共犯となり、連帯して配偶者に対して責任を負うことになります。

 

ここで、連帯して責任を負うという意味合いは、一方当事者が慰謝料を支払った場合、責任割合に応じて他方当事者に対し、支払った慰謝料の求償をすることができるということです。

 

ダブル不倫のケースでは、慰謝料請求の交差とあわせて、求償権も交差することになるため、このような法律関係が問題を複雑にする原因となることも少なくありません。

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