(※画像はイメージです/PIXTA)

国語は難関校になればなるほどスピーディーに問題を解くことが重要です。しかし、小4、小5のうちは文章をしっかり頭に入れていくスローな読み方を日頃から身につけておくことが大切です。これは他の科目の学習にもいえることです。問題文やテキストを「どう読む」のが正しいでしょうか。プロ家庭教師集団「名門指導会」代表の西村則康氏が著書『難関校合格のすごい勉強習慣』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

理社は因果関係を確認しながら読む

■マーカーを引くことだけが目的にならないように

 

1週間のうちで理科、社会ともにテキストを読む時間をとります。問題集をこなすのが理社の勉強と思っている子どもは多いのですが、理社こそ「文章を読む」ことが大切なのです。

 

それを知らない子は、テキストを読むとき、社会の地理ならば地名だけを拾い読みしています。歴史ならば、年号や人物名、事件名などの重要ワードにマーカーを引くことが目的の読み方になっているのです。理科の植物でも同じように、植物名、花びらの枚数やおしべの本数などの数字にマーカーを引くことが目的の読み方になっています。

 

もちろん、暗記したい項目に自分なりの目印をつけていくことは大切ですが、もっと大切なのは、知識と知識をつなげていくような読み方です。

 

歴史→「○○の変が起こったのは□□がきっかけだ」という具合に流れで読む

地理→地名と地図を一致させながら読む

植物・動物→「固有名詞・数字」だけではなく、絵や写真を見て確認しながら読む

化学→「この物質はここでも使ったし、あっちのページで違う使い方もしていた」とい

う具合に思い出しながら読む

 

こうした読み方が習慣づけられると、単に語句暗記をメインに勉強を続ける子にくらべて、ものごとや現象を因果関係で理解することができるようになります。

問題を解く前に「背筋を伸ばしてみる」

■問題用紙と目の距離を遠けると、気づけることがある

 

テストのときに問題文をちゃんと読めるというのは、つまり、余裕があるということです。緊張している受験本番で焦らずに問題に臨むには、読み方のコツがものをいいます。もちろん、これは塾の宿題をこなすときにも活用できる方法です。

 

次に挙げているのは、共立女子中学(2019年)の入試問題です。

 

[図表1]入試問題 2019年共立女子中学校 算数出所:西村則康著『難関校合格のすごい勉強習慣』(日本能率協会マネジメントセンター)より

 

①と②は、「スピーディー」に解いていくタイプの問題です。①②を解いた勢いで③にとりかかりたいところですが、手をつける前に背筋を伸ばしてみます。問題用紙と目の距離を遠ざけ、俯瞰して問題を眺めてみると、問題式の全体像が見えます。

 

すると、15.7を見たときに「あれ? 3.14に関係する数字じゃないかな?」と気づける子が増えます。この2つの数字は関係がありそうだから、単純に計算をするだけでなく何か工夫して解けないかなと考えられるわけですね。

 

15.7が、3.14に関係することに気づけた子どもは、3.14の半分(1/2)が1.57だ。15.7はその10倍だから、3.14の(1/2×10=)5倍だと気づきます。

 

それに気づくことができたら、この式は(10×10×3.14-5×3.14)÷314となって、あと10秒もかければ正解にたどりつくことになります。

 

このように、ひと息おいて背筋を伸ばし、問題用紙から目を離してみるという「読む・スロー学習」を心がけて問題を解くと、逆に早く正解にたどり着けるケースもあります。

 

こんな秘策も覚えておくと、受験本番の実力発揮を大いに助けてくれます。

 

 

西村 則康

プロ家庭教師集団「名門指導会」代表

 

 

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※本連載は、西村則康氏の著書『 難関校合格のすごい勉強習慣』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

西村式中学受験小4~小6で差をつける 難関校合格のすごい勉強習慣 受かる子・受からない子の違いは「スピーディー&スロー」学習法

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西村 則康

日本能率協会マネジメントセンター

難関校が求める「難問に向き合ったときでも試行錯誤できる子」「自分の頭で考えられる子」を育てる。スピーディー学習、基本的な処理能力を身につけるトレーニング、スロー学習、「いつもどおり」の安定した行動をとらせるため…

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