国語の長文は「意味が頭の中に入るまで」
■「何分で」と時間で区切らない
国語の塾のカリキュラムは、説明文、物語文、随筆、詩といった素材文を1年間かけてぐるっとひとまわりし、学年が上がれば同じ順番でまた1年を巡ります。テキストに掲載される素材文と設問が次第にレベルアップしていきますが、他科目にくらべて学年ごとの学習内容に差がないのが特徴です。
ただ、中身をしっかり読まないと正解できないということは共通しています。
国語は難関校になればなるほど、素材文のボリュームが増します。「スピーディー」に読み切ることは合格に欠かせない条件です。小6になれば「何分で読み、解く」という受験本番に向けた学習が必要ですが、小4、小5のうちは制限時間にこだわらず、読んだあとに「こういうことが書いてあった」とお子さんが言葉にして言えれば十分です。
速く読める力をつけると同時に、文章の内容を頭に入れていく「スロー」な読み方を日頃から習慣づけていくことが大切です。
そのため、親御さんが「どんな内容だった?」「何が書いてあった?」「どんなお話だった?」と聞いてあげると、「問題文を読む」必要性が子どもに伝わっていきます。
「読解力」が上がる国語の復習法
■自分が間違った理由を読んで理解する
塾の授業でやり切れなかった国語の問題は、宿題になります。その宿題の答え合わせは「自分でやっておきなさい」となるのが普通で、次の授業で取り上げる塾はほとんどありません。子どもからすると、国語の長文問題を家庭で自主的に行うのは少々面倒に感じられることが多いのですが、この学習のポイントは、正解できたか間違ったかを知るだけでなく、解説文から間違った理由をしっかり読みとることにあります。
たとえば、選択問題の5つの選択肢のうち3つは簡単に外せるとします。残った2つのうちの「なぜ、こちらが外れるのか」。その証拠を探すように問題文と解説文を読み直すのです。
テストを受けたあとも、同じことをやります。国語の成績を上げる1番よい方法は、この「証拠探し」の読み方なのです。
読解力を高めるには、たくさん読むことが必要だと理解している親御さんは多いと思います。ただし、やみくもにたくさんの問題文や過去問に触れても力には結びつきません。「どう読むか」が、ことのほか大切なのです。