(※写真はイメージです/PIXTA)

これまでの50代の仕事人生は、ある意味、「準備期間」「修業期間」だと思い直したらどうでしょうか。それまでの経験をベースに、より充実した仕事にトライするという発想転換です。ジャーナリストの岡田豊氏が著書『自考 あなたの人生を取り戻す不可能を可能にする日本人の最後の切り札』(プレジデント社)で解説します。

50代で分かった「楽しいことが一番大事」

それらに基づいて、私たちは、褒められたり、喜ばれたり、怒られたり、批判されたりしています。価値観、評価基準、慣習、ルールなどは、社会を調和させるために存在するもので、個人を排除するためのものではありません。特に価値観は本来、人の数だけあっていいはずです。人の数だけ、居場所があるはずです。

 

しかし、この日本社会は、そうではありません。学校、職場、家、親、歴史、伝統、慣習、しがらみ……。ごく限られた数少ない価値観に人を押し込めようとし、数少ないモノサシで人を評価しているかのようです。それは、国家を統治し、組織を管理する立ち場の人にとっては都合がいい仕組みかもしれません。でも、それでは「個」が押し殺されてしまう。

 

そろそろ、変わりませんか。変えませんか。すべての人に居場所があって、すべての人が笑い、楽しく生きられる社会に。

 

自考は難しいことではありません。

 

まずは、あなたを苦しめている他人の評価や基準をすべて、遠慮なく断ち切ってください。ゼロベースにします。無責任な学校や未熟な教員が押し付けてくる価値観などは、躊躇なくスルーして構いません。

 

あなたという個人は世界にたったひとりしかいない、かけがえのない存在です。自分の居場所がその学校にないのなら、他に探せばいい。会社や上司が決めた評価だけで、一喜一憂するのはバカげています。自分の評価や価値は自分で決めるものです。一生懸命やっているのに会社が自分の価値を認めなければ、別の会社を探すか、自分で起業すればいい。

 

あなたを苦しめるモノを断ち切ったら、次に、自分を守るためにどうすればいいか、自分の頭で考えます。自考です。法律やルールに違反する行為や、他人に迷惑をかけることでなければ、何でもOKです。

 

この際、斬新な価値観、基準を創って、とにかく自分を思い切り守ります。自己中心的な発想でも構いません。恥ずかしいことではありません。自分で自分を守ってあげるのは、生まれてきた人間として基本中の基本です。当たり前のことです。

 

自分を守ることができれば、他の人も守ることができます。自分を守る術が簡単に思いつかなかったら、自分を肯定できるモノサシや価値観を、自考して、新しく創ってみてください。これまでになかった新しいやり方、モノサシ、価値観です。

 

自分は何をやっている時が楽しいかを思い出し、自分の力で、自分の居場所を新たに創ります。自分を肯定できて、自分の居場所を見つけられたら、それは自立です。それが自考です。人生は楽しいことが一番大事だと、私は50代になって、ようやく理解できました。

 

日本人は自立が苦手です。でも、自分を肯定でき、自分の居場所ができて、自立できたら、楽しくなります。他人が決めた価値観やモノサシで自分をはかるのは楽しくなかった。苦しかった。自分の頭で考え抜いて、自分の居場所や自分の楽しいやり方を見つけて初めて、心から笑えたような気がしました。そうやって、生きないと、もったいない。

 

あなたが笑えるようになれば、その笑顔は周りの人に伝播します。周りの人の笑いは、あなたに返ってきます。自分の居場所を見つけられた人は、他人の居場所を受け入れることができます。それは、他人を否定したり、排除したりせず、受け入れる社会。回り回って、自分と他人をハッピーにする社会です。

 

次ページなぜ50代男性は批判や愚痴が多いのか?

本連載は、岡田豊氏の著書『自考 あなたの人生を取り戻す不可能を可能にする日本人の最後の切り札』(プレジデント社)より一部を抜粋し、再編集したものです。

自考

自考

岡田 豊

プレジデント社

アメリカでの勤務を終えて帰国した時、著者は日本は実に息苦しい社会だと気付いたという。人をはかるモノサシ、価値観、基準の数があまりにも少ない。自殺する人があまりにも多い。笑っている人が少ない。他人を妬む。他人を排…

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