(※写真はイメージです/PIXTA)

これまでの50代の仕事人生は、ある意味、「準備期間」「修業期間」だと思い直したらどうでしょうか。それまでの経験をベースに、より充実した仕事にトライするという発想転換です。ジャーナリストの岡田豊氏が著書『自考 あなたの人生を取り戻す不可能を可能にする日本人の最後の切り札』(プレジデント社)で解説します。

日本人に必要な自考という平和な「革命」

■自分の人生を取り戻す、自考は私たちの平和的な「革命」

 

日本には、誇るべき素晴らしい伝統や慣習、ルールなどがたくさんあります。先人たちは、各時代で一生懸命に頑張ってきました。

 

しかし、時代は変わりゆくものです。先人が決めた“常識”、過去の成功体験、慣習、伝統、仕組みの中に、私たちが自分らしくあろうとすることを阻み、自立を阻み、可能性を奪うものがたくさんあります。

 

同質性を求め、出る杭を打つ。組織の論理を優先し、個性を軽視する。伝統を重視し、新たな創造を歓迎しない。こんな空気が強いから、未来の展望がいまだに見えてこないのではないでしょうか。自分とは違う人を受け入れること。それが苦手だから、日本人は「国際化」を理解しにくいのではないでしょうか。

 

国際化とは、海外留学や企業の海外展開といった形式的なことだけをいうのではありません。違う国・地域の人たちを理解し、日本との違いを受け入れ、共生していくことが本質的な「国際化」なのだろうと思います。日本にいたままでも、隣にいる自分とは違う他人のことを受け入れることができれば、それこそが「国際化」の一歩だと私は思います。

 

人と違うやり方で挑戦をする人に拍手を送ること。無意味な忖度をやめ、組織の支配から抜け出すこと。自分と異なる人をそのまま受け入れること。過去のやり方は参考にしつつも、流されないこと。既存のルールに埋もれず、縛られないこと。

 

私たちが自らの頭で本気で考え抜けば、未来を切り拓く本物の知恵を生み出すことができます。タブーなく、根本から、本気で問い直す時ではないでしょうか。そうした知恵の結集が、未来への扉を開くカギとなるのです。

 

何よりも、そんな社会なら、笑顔が増え、みんなが楽しく暮らすことができるはずです。大好きな日本人が自分本来の人生を取り戻し、未来を勝ち取り、大好きな日本が世界で埋没しないために、自考が必要なのです。自考で、新しいやり方、自由、勇気、希望を勝ち取りたい。自考は、私たち市民の平和的な「革命」になります。

 

■あなたを苦しめる“基準”と決別、自分の“基準”を創る


 
10代、20代で、夢をあきらめたり、生きることをあきらめたりする必要はありません。楽しく、素晴らしい未来が待っているはずです。30代、40代は新しいチャレンジをするのに絶好の時でしょう。

 

50代になって、自分の思い描いた生き方がかなわなかったと嘆き、人生をあきらめる必要などありません。これからです。60代、70代で、まだまだ挑戦できる楽しいことは山ほどあります。80代、90代も毎日笑って、楽しく暮らしたい。

 

暗くよどみ、悲しみに包まれている人、壁にぶち当たって行き詰まっている人。おそらく多くの人が、気付かぬうちに、他人や過去がつくった価値観、評価基準、慣習、ルールなどに縛られ、囲まれて生きています。

 

次ページ50代で分かった「楽しいことが一番大事」

本連載は、岡田豊氏の著書『自考 あなたの人生を取り戻す不可能を可能にする日本人の最後の切り札』(プレジデント社)より一部を抜粋し、再編集したものです。

自考

自考

岡田 豊

プレジデント社

アメリカでの勤務を終えて帰国した時、著者は日本は実に息苦しい社会だと気付いたという。人をはかるモノサシ、価値観、基準の数があまりにも少ない。自殺する人があまりにも多い。笑っている人が少ない。他人を妬む。他人を排…

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