かつて世界経済をけん引した日本。しかし現状はどうでしょうか。慢心した挙句、パラダイムの転換に失敗し、多くの国々の後塵を拝する立場となってしまいました。問題点はどこにあるのか見ていきます。

マクロ環境分析はPEST分析で

新規事業を立ち上げていくうえでは、自社の現状を把握することはもちろん、外部環境に関する情報を収集し分析する作業も必要になります。

 

この外部環境の分析に関しては、大きな視点から行う「マクロ環境分析」と小さな視点から行う「ミクロ環境分析」の2つが求められます。「ミクロ環境分析」の方法については後述するとして、ここでは「マクロ環境分析」の手法を紹介しましょう。

 

まず、マクロ環境分析では市場環境を5年、10年といった長期のスパンでとらえることになります。その際、主要な要素となる「政治(Political)」「経済(Economical)」「社会(Social)」「技術(Technological)」の4つの外部環境を取り出し、分析対象とする手法として「PEST分析」があります。「PEST」の4文字はそれぞれの英語名のイニシャルからとられています。

 

「政治」に関してはたとえば法規制や規制緩和などが、「経済」については景気や為替・金利などが、「社会」に関しては人口動態や世論・社会意識などが、また「技術」については技術革新などが分析における中心的な視点となります。

 

これらの4大要素の変化はいずれもビジネスに多大な影響をもたらすものであり、それらが同時に発生すると、先に見たようなパラダイムシフトが起こるわけです。

 

なおPEST分析の情報源としては、国の公表している各種統計データやシンクタンクの調査レポート、新聞報道や専門誌の特集記事等があげられます。

 

PEST分析とは

 

 P  政治(Political)

法規制・規制緩和、国の政策、税制の見直し、政府の動向、NPOなど市民団体の動向、最高裁の判断変更、外交関係など

 

 E  経済(Economical)

景気、インフレ・デフレの進行、為替、金利、経済成長率、日銀短観、失業率、鉱工業指数など

 

 S  社会(Social)

人口動態、世帯数、世論・社会意識、教育、犯罪、環境、健康、文化に関する情報など

 

 T  技術(Technological)

技術革新、特許、技術提供企業の投資動向など

 

木下 雄介
カッティング・エッジ株式会社 代表取締役
中小企業診断士

 

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本記事は『改訂新版 超図解! 新規事業立ち上げ入門』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋・再編集したものです。

改訂新版 超図解! 新規事業立ち上げ入門

改訂新版 超図解! 新規事業立ち上げ入門

木下 雄介

幻冬舎メディアコンサルティング

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