「乗り換え」がある更新型保険
生命保険もこれと全く一緒で、乗り換えれば乗り換えるほど、多い保険料を払わされることになる。たとえば次の例を見ていただきたい。
いま35歳の男性が、たとえば90歳まで、保険料が一番安い(と思っている)「定期保険」で死亡保障を得ようとした場合の、AコースとBコースの2つのコースを比較してみよう。
Aコースは、東京から博多まで直通で行くのと同じように30歳から90歳まで、乗り換えなしの一直線の保険に加入した保険料を計算している。Bコースは、「更新」の繰り返しで目的地へ行くコースの料金を表している。
上記の[図表1]の計算のように、保険でも「直通」で行く方が断然安く済む。
乗り換えがある「更新型」保険は、「直通」型保険の約2倍の保険料を払うことになり、さらに言えば1,000万円の保障のために1,657万円を払う、バカげた保険になる、ということだ。結局高くつくことがおわかりいただけると思う。ここに載せた例は15年ごとに更新の保険であるが、一般的に多い「10年更新型」なら、もっと多い保険料になる。
でも、この2つの保険料の計算を見て、さらに気が付いたことはないだろうか。
スタートの30歳の保険料を見ていただきたい。
・Aコース……毎月10,790円
・Bコース……毎月2,600円
Aコースと比べれば、Bコースのスタートは実に約24パーセントの保険料で済んでしまうのだ。
ここに目を付けた保険屋さんは保険料を安く見せかけるテクニックの1つとして、将来はどうなるか一切言わないで、「更新型の方が安いですよ」と、絶対にBコースを勧めてくる。
そして「更新型」の保険に入ると、ドロ沼に足を取られるのと同じように抜け出せなくなるし、抜け出そうと思ったときには過ぎた年齢分だけ保険料も高くなっていて、にっちもさっちも行かなくなる。