掛け金の安い「共済」の落とし穴
「より安いものへ」が待ち受ける未来
安いものへ安いものへ、と国民の目が向くと、製造業者もコストを下げて、安い価格の製品を作ろうと必死になる。製品の品質は落ちるし、製造する従業員の賃金も下げなければならない。給料をカットされた従業員は少ない賃金で生きるために、安いものしか買えなくなる。
この堂々めぐりを「デフレスパイラル」と言って、そこから抜け出すのは容易ではない。これは諸外国にたくさん見本がある。
今の日本の生命保険はこれに近い状態で、テレビまでが安売りの店を取り上げて報道している。デフレスパイラルを煽っているようだ。
生命保険でも、雑誌や新聞の「家計相談欄」などで生命保険を真っ先にやり玉に取り上げて、「今の保険を止めて、掛け金の安い定期保険か『共済』にしなさい」などという回答をしている経済評論家やライフプランナーがいる。
筆者にしてみれば、「そんな無責任なことを言って、どうするのだろう。この人は生命保険の何たるかを知らないな」と思ってしまう。
もっと心配なのは、そのアドバイスを真に受けた相談者や読者がその通りにして、将来受けるであろう損害に対して責任を持てるのだろうかということだ。本気で心配してしまう。
「共済」の掛け金が格段に安いワケ
まず、「共済」の掛け金が格段に安いのはなぜか、考えたことがありますか。
簡単にいうと、「ほとんどの加入者が、死亡しないうちに保障が終わってしまうので、共済金(保険でいう保険金)を支払わない契約が多いから」ということなのだ。
つまりたとえは悪いが、掛け金を取りっぱなしにできる年齢で保障が極端に小さくなるか終わってしまうので、「やらずぶったくり」状態なのが「共済」なのだ。
たとえば筆者の手元に「○○共済」(他の共済も大同小異)の最新のパンフレットがある。
●掛け金の高い「総合保障4型」の掛け金
月額4,000円
●死亡保障
(死亡共済金)
18歳〜60歳……800万円
60歳〜65歳……460万円
65歳〜70歳……200万円
70歳〜80歳……100万円
80歳〜85歳……60万円
18歳→85歳(67年間)……
4,000円×12カ月 ×67年間=3,216,000円 (支払うお金)
これでは、80歳以上になると一家の大黒柱の保障としては心もとない。葬式代の一部にしかならないお金だ。
平成22年(2010年)の4月に改正されてこの程度なのだから、「共済」に入っていて一家の大黒柱が死亡した場合、残された家族はどうするのだろうと心配になる。これは「ネット保険」に頼っている人にも言えることだ。
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