1年間の治療費は犬6万円、ねこ3万円
▶「ペット保険」ペットの高齢化で医療費負担がアップ
■ペットの医療費は高額になりがち
ペットの医療費は自由診療なので、病院によって支払う料金はまちまち。人間のように一律ではありません。アニコム損保の調査によると、病気やケガにかかる1年間の治療費は、犬で約6万円。猫は約3万2000円となっています。
あくまでも平均であり、ペットの年齢や症状によっても異なりますが、健康保険がないので、高額になりがちです。さらにペットの高齢化も進んでおり、医療費の負担が年々重くなりつつあります。
そんな負担に備えるのがペット保険です。一般に、通院、入院、手術の3つが補償されますが、一部、入院と手術しか補償されない商品もあるので注意をしてください。そのほか、ペットのがんでの一時金や賠償事故、ペット用車いす補償など、多くの特約があります。
保険金の請求方法は「窓口精算型」と「立替請求型」の2種類があります。窓口精算型は、アニコムの「どうぶつ健保ふぁみりぃ」などが該当し、「どうぶつ健康保険証」を提示することで、窓口負担は30%ですみます。
一方、立替請求型は、いったん全額を立替えた後、書面を送付して保険金を請求するしくみ。その際、診療診断書などの書面は有料になるケースもあります。
なお、「わんデイズ・にゃんデイズ」では、紙の送付は一切不要で、診療明細書等をスマホやパソコンでアップロードするだけで保険金請求が完了します。
「げんきナンバーわんスリム」は、1日あたりの免責金額が3000円に設定されています。免責とは、1日にかかった医療費のうち3000円までは保険金が支払われないという意味。つまり、3000円は自己負担となります。
免責金額があると、保険料は安くなります。反対に免責金額がない保険は、保険料が高くなりがち。どちらがよいのか検討してみましょう。
ペット保険に加入できる年齢は、7歳や8歳までとしている商品が主流です。基本的に一生涯にわたって補償されますが、ペットの年齢が上がると、保険料も上がるようになっています。
たとえば、1歳のチワワは1820円ですが、一定期間ごとに自動更新され、18歳以上になると4200円に値上がりします。将来かかる保険料を、保険料表などで確かめてみるとよいでしょう。なかにはシニア専用のペット保険もあります。
▶「少額短期保険」大手の保険会社にはマネできないユニークさ
■ニッチで細かいニーズに応える
少額短期保険は、保険金が1000万円以下で、保険期間が1年や2年など短いことが特徴だといえます。大手の保険会社にまねできないニッチで細かなニーズを満たす商品がたくさんあります。
では、どれくらいユニークなのかご案内しましょう。旅行会社の「HIS」が手掛ける「お天気あんしんプラン」は、旅行中、雨が降り続いたら旅行代金がキャッシュバックされます。雨が降る時間帯は、10・6・3時間のいずれかから選択。プランに応じた金額が返金されます。
また、「Travelキャンセル保険」は、急な出張が入った、外出自粛要請が出た、台風による特別警報が出たことのほか、本人や家族の入通院、死亡時などを補償します。
一般に病気にかかっていると、死亡保険には加入できないものですが、がん治療中やがんを経験した人だけが入れるのがその名のとおり「がんになっても入れる保険」です。がんのできる部位によって、保険金は80万円から200万円と、ばらつきがあります。
少額短期保険で気をつけることは、1年や2年更新であるため、更新の都度、あるいは5年ごとなどに保険料がアップすることです。
日本少額短期保険協会は「こんな保険、あったらいいな」というコンセプトで、「おもしろミニ保険大賞コンテスト」を実施。受賞作品の中には、商品化されたアイディアもあります。
参考までに2021年3月の最優秀賞は「オンラインイベント保険」。イベント主催者の責任でない通信障害や、ZOOM・Teamsなどの障害の発生によって、オンライン配信が不能となり、参加費の返金をせざるを得なくなったことなどを保障するそうです。
長尾 義弘
ファイナンシャルプランナー
横川 由理
FPエージェンシー代表
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