自分の思いを正しく伝える工夫をする
■客観的な視点も入れて自分を言語化する
いずれにしても最終的には面接の場で語れるようにしなくてはいけないので、相手にきちんと伝わるか、偏った考えや近視眼的なものの見方になっていないかなどに気をつける必要があります。自分が面接官だったらこの回答で納得するかどうかという客観的な視点で内省を繰り返していきます。
自己理解はなるべく早い段階からするのが良いですが、一度でやり切ろうとしなくて構いません。転職活動をしているなかで優先順位が変わってくることや、価値観が変わること、自分の長所短所がよく見えてくることなどがあるため、その都度、自己理解に立ち返って更新していくほうがいいのです。
転職活動中に軸がブレそうになったり、これでいいのか不安になったりしたときにも、自己理解に戻って、改めて軸を確認するようにします。
■マイナスを隠すための嘘の動機や理由はつくらない
転職を考えたきっかけが職場のパワハラに耐えかねてとか、ブラック企業でつらかったとかいった理由の場合、それを面接で言うとマイナスのイメージをもたれるのではないかと心配になるかもしれません。
しかし、もう少し前向きなきっかけのほうが良いかと考えてあれこれ嘘の答えを用意するよりは、正直に話したほうが印象は良くなります。ただしマイナスの動機からの出発でも、今は前向きな気持ちで転職したいと思っているということをきちんと伝えるべきです。
例えば「職場でパワハラがあって続けていけないと感じたこともきっかけの一つだが、いつか地元に帰って働きたいと思っていた。夫婦でこれからのことを考えたときに、今がそのタイミングだと気づいた。地元の企業を調べるうちに、自分のキャリアを会社に還元し、自分も成長できる仕事があると知り、今はワクワクしている」というような形です。
このように話せば、パワハラは過去のことであり、今のワクワクしているという気持ちのほうにスポットライトが当たります。面接官も「確かにパワハラは嫌ですね。でも、それがきっかけで転職を真剣に考えるようになったのなら、その経験も無駄ではなかったかもしれませんね」と好意的に受け止めてくれます。
大事なのは、面接官がどのように受け止めるかを想像して、自分の思いを正しく伝える工夫をすることです。
江口 勝彦
株式会社エンリージョン 代表取締役
キャリアコンサルタント
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