Uターン転職の採用面接で企業側が聞きたいのは、転職理由と転職希望者の強み。つまり、自社に何をもたらしてくれるのか。地元企業がUターン人材を求めるのは、会社を大きくしたい、強気うしたいという思いからです。キャリアコンサルタントの江口勝彦氏が解説します。

「なぜ?」自問することで本質に迫る

■まずは自身のキャリアの棚卸しをする

 

自分の言葉で語るためには、「キャリアの棚卸し」を始めることが必要不可欠です。例えば、次のような内容を突き詰めて考えていきます。

 

・自分がこの先の人生をどう生きていきたいのか
・何を大切にしたいのか
・どこで誰とどんなふうに暮らしたいのか
・生きがいは何なのか
・家族にどうあってほしいのか
・自分や家族にとっての幸せとは何なのか
・自分の強み、キャリアとは何なのか
・今後は仕事を通してどういうキャリアを築いていきたいのか
など

 

こういった項目を一つひとつ具体化していくことで、優先順位をつけることができます。自分にとって譲れないもの、人生でこれだけは叶えたいもの、仕事人としての将来像などが優先順位の高いものです。

 

優先順位の高いものを軸として考えていけば、転職で悩むことがあってもゴールを見失いません。また面接で何を聞かれても、自分のなかに答えがあるのできちんと回答することができます。

 

■「なぜ」と自問自答しながら考えを深めていく

 

自己理解の深め方としては、紙に書き出すなどして文章化していく方法や、自問自答して考えを整理していく方法などがあります。転職サイトなどに無料でダウンロードできる自己分析シートなどもあります。

 

自己理解のテクニックとして、「なぜを繰り返す」というのがあります。

 

「なぜ、転職したいと思ったのか」「地元にUターンしたいから」→「なぜ、Uターンが大事なのか」「地元で子育てをしたいから」→「なぜ、地元で子育てするのか」「子どもの成育環境として望ましいから」→「なぜ、望ましいと思うのか」「自分が地元で育ったことを誇りに思っているから」……というように、何度も「なぜ」を繰り返すことで、テーマの本質に迫っていきます。

 

掘り下げられるところまで「なぜ」と問いかけていき、最後に出てきた答えがその人にとっての本物の価値観や願望です。

 

次ページ自分の思いを正しく伝える工夫をする

本連載は江口勝彦氏の著書『幸せのUターン転職』(幻冬舎メディアコンサルティング)から一部を抜粋し、再編集したものです。

幸せのUターン転職

幸せのUターン転職

江口 勝彦

幻冬舎メディアコンサルティング

30代になると結婚や子どもの誕生、マイホームの購入、親の介護などさまざまなライフイベントを迎えます。 そのタイミングで都会からのUターン転職を考える人もいますが、年収やキャリア形成の不安から「自分が働ける場所はな…

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