(※写真はイメージです/PIXTA)

Uターン転職をするときはどこの転職サイトや人材サービスを利用するにしても、大切なのは自分に必要な情報をもっているのはどこかを見極める眼、不必要な情報を振り分ける編集力です。また、偏った情報に流されないで多角的に見ることも大事です。キャリアコンサルタントの江口勝彦氏が解説します。

地方の中小企業は若い人材を欲しがっている

■30代を逃すとUターン転職のハードルは上がる

30代は多くの人にとって結婚や子どもの誕生、マイホームの購入、この先のキャリアの希望など「将来を決定する大きな転機」になります。地元に帰るならこのタイミングで転職して生活基盤を定めることが、その後の人生設計を描くうえで大事になってきます。

 

30代のタイミングを逃すと、次のタイミングは10年先になる場合が多いです。子どもが小学校や中学校を卒業するのを待ったり、自身の仕事の区切りを待ったりしているうちに、10年くらい経ってしまいます。そのうち親の介護が必要になるなどして地元に転居するケースが多く見られます。

 

ただし、40代での転職は30代に比べてハードルがかなり高くなってしまいます。

 

一般に転職業界では「35歳転職限界説」「35歳の壁」というのがいわれます。新卒至上主義が根強い日本では、社会経験が浅くまっさらで、教えれば自社に染まってくれる20代が重宝される傾向にあります。賃金が安いことも、企業が若い世代を好む理由の一つです。

 

それに比べて年齢が高くなると、柔軟性や適応力がなくなり自分のスタイルが固定していく傾向にあります。賃金も高くなります。そのため、35歳以上の採用を渋る企業が増えてくるとされています。

 

厚生労働省の「令和元年上半期雇用動向調査結果の概要」を見ても、男女ともに30歳を越えると入職率はガクンと下がります。

 

地方の中小企業では40代での中途採用も大都市に比べればあるほうですが、それでも転職はしにくくなります。高いスキルや専門性があれば別ですが、地方企業はただでさえ高齢化していますから、やはり若い労働力が欲しいのです。

 

もちろん40代以降でもUターン転職をすることは可能です。ただ、いずれUターンしたいと思っているのであれば、なるべく早めに決断し、転職活動を始めることが、自分の「売り時」を逃さないためには重要です。

 

■情報収集の手段は多くもち、徐々に絞っていく

 

実際の転職活動では自分の希望する条件の求人情報が見つからないなどの問題が起きてくると予想されますが、地方にも働きがいのある良い会社は多くありますから諦めずに活動し、積極的に「自分から情報を取りにいく」のが成功の秘訣です。

 

地元で転職をするためにどのサイトやエージェントを使えばいいかという問題には、「ここを利用すれば必ず成功する」というセオリーはありません。

 

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本連載は江口勝彦氏の著書『幸せのUターン転職』(幻冬舎メディアコンサルティング)から一部を抜粋し、再編集したものです。

幸せのUターン転職

幸せのUターン転職

江口 勝彦

幻冬舎メディアコンサルティング

30代になると結婚や子どもの誕生、マイホームの購入、親の介護などさまざまなライフイベントを迎えます。 そのタイミングで都会からのUターン転職を考える人もいますが、年収やキャリア形成の不安から「自分が働ける場所はな…

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