(※写真はイメージです/PIXTA)

子どもの仲間はずれが発覚しても、親として大切なことは過度に怖れず、親自身が仲間はずれの恐怖から自由になることです。親が仲間はずれに過剰反応すると、子ども自身に悪影響が及びます。精神科医の和田秀樹氏が著書『アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉』(大和書房)で解説します。

親は子どもの「仲間はずれ」に過剰反応しない

■仲間はずれを怖がる必要はないよ

 

アドラーが提唱した「共同体感覚」という概念は、まわりに合わせて生きたり、周囲の期待に応えて生きたりする意味ではありません。同じ人間として、〝共同体に属している〞〝共同体の一員である〞という自覚のことです。

 

自分が共同体の一員であるという自覚を持つことができれば、子どもはむしろ自由に生きることができます。共同体に確実に属していると実感しているからこそ、

 

「LINEに四六時中答えなくても仲間でいられる」
「SNSで、ある人に仲間はずれにされても、他の人とは仲間のままだ」

 

などと思えるようになるのです。

 

親として大切なのは、仲間はずれを過度に怖れず、親自身が仲間はずれの恐怖から自由になることです。

 

今は、ちょっと子どもが仲間はずれにされそうになっただけで慌ててしまう親が少なくありません。学校や仲間はずれをしている子の親にクレームをつけるなど、騒ぎを大きくすることがあります。

 

要するに、仲間はずれにされることに対する耐性がなさすぎるのです。

 

親が仲間はずれに過剰反応すると、子ども自身に悪影響が及びます。なぜなら、親がパニックになる様子を見た子どもが、「自分はダメな子だ」「自分はみじめな子だ」と感じてしまうからです。

 

そして、親にこれ以上心配をかけたくないと考え、同じような出来事が起きたときに、二度と親には相談しなくなります。

 

親の仲間はずれへの恐怖は、必ず子どもにも伝染します。ですから、大切なのは親自身が仲間はずれにされたくらい問題ないと腹をくくることです。そして、その姿勢を普段から子どもに対しても伝えておくのです。

 

子どもが仲間はずれになっていることに気づいたときは、慌てずに子どもを信じてください。「みんなから好かれる必要はない。仲間はずれは怖くない」と言って励ましてあげるのです。目先の仲間はずれを回避するより、子どもを強い心の持ち主に育てるほうを優先すべきです。

 

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