(※写真はイメージです/PIXTA)

親が子どもに対して「これはまだ無理」「これはやめておいたほうがいい」などと限界を設けることで、子どもが得することは何一つとしてありません。基本的に安全が保証されている限りは、限界を設けず何でも挑戦させることが大切です。精神科医の和田秀樹氏の著書『アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉』(大和書房)で解説します。

成長意欲をそぐ“意外な”言葉

親が子どもに対して「これはまだ無理」「これはやめておいたほうがいい」などと限界を設けることで、子どもが得することは何一つとしてありません。

 

もちろん危険性が高い川での泳ぎや、金銭的に負担の大きい自転車の購入などは慎重に判断する必要があります。

 

しかし、基本的に安全が保証されている限りは、限界を設けず何でも挑戦させることが大切です。

 

アドラーはもともと算数が得意ではなく、算数の適性がないとみなされていました。

 

ところがある日、突如として難しい問題が解けたという体験がきっかけとなり、算数に対する考え方を改めるようになります。結果的に、算数は最も得意とする教科となったのです。

 

教師や父親は、アドラーの才能に気づかず、学業で大成するとは考えていなかったようです。彼の場合は、自分で才能に気づくことができた幸運な例といえます。

 

勉強でも運動でも、子どもの限界を設けず、やってみるように勧めてください。

 

たとえばプールの飛び込みでも、「怖いけどやってみたい」という子どもの気持ちを後押ししてあげるのです。「自分はできる」「自分は頭がよい」という思い込みが、子どもを支える自信となります。

 

挑戦しようとする子どもに対して、「やればできるよ」「心配しなくても大丈夫」と声をかけるのもよいでしょう。ただし、それだけで子どもが納得してくれるとは限りません。まずはハードルが低い挑戦をさせて「できた」という成功体験を積ませるのが先決です。

 

「やってみたらできた」という体験が、「自分はやればできる」という確信につながっていきます。そこで「算数はもっとできるようになるよ」「東大でもきっと受かるはず」などと声をかけていけばよいのです。

 

ただし、「自分はできるから努力しなくてもいい」と思うようになると、子どもの成長はそこでストップします。子どもには、もっと成長していくためには努力が必要であることを繰り返し伝えながら、成長意欲を持たせるようにしていきましょう。

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