(写真はイメージです/PIXTA)

不動産法務に詳しいAuthense法律事務所の森田雅也弁護士が、借地権の対象となっている土地(底地)を相続するメリット・デメリットを解説するとともに、底地に関するトラブル事例を紹介します。

借地権対象の土地も「売却可能」

借地権の対象となっている土地を相続した場合、その土地を売却することはできるのでしょうか? なお、これ以降は普通借地権を前提として解説します。

 

土地の売却は「自由」

 

他者へ貸しており借地権の対象となっている土地であっても、土地の売却が制限されるわけではありません。

 

借地権の対象となっている土地を相続した人は、いつでも自由に借地権者の承諾を得ることもなく、土地を売却することが可能です。

 

売却したいからといって借地権者を追い出すことは不可能

 

借地権の対象となっている土地の売却は自由であるとはいえ、売却を理由に借地権者を追い出したり建物を壊すよう命令したりすることなどはできません。

 

また、借地権は新たな所有者へも対抗することができるため、新たな所有者が一方的に借地権を消滅させることもできません。

 

つまり、借地権の対象となっている土地は、借地権がくっついたまま、土地上に借地権者名義の建物が建ったままの状態で土地を売却するしかないということです。そのため、自由に売却ができるとはいえ、現実的には買い手はかなり限られることとなるでしょう。

 

自分で自由に使用することができない土地を積極的に購入する人はそう多くはないためです。

 

「借地権者への売却」も検討しよう

 

借地権の付いた土地を売却する際には、借地権者への売却も検討の余地があります。

 

上で解説したように、借地権が付属した土地を積極的に購入したいと考える人は多くありません。

 

しかし、借地権者にとっては長年使用している建物の敷地が自分の所有になる安心感や、その後の地代を支払わなくて済むという経済的なメリットがありますので、購入を前向きに検討しやすいといえます。

 

ただし、たとえ他に良い買い手が見つからなかったとしても、借地権者に無理矢理土地を購入させることはできません。借地権者への売却であっても、あくまでも双方が納得して合意することが前提となります。

 

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本記事はAuthense不動産法務のブログ・コラムを転載したものです。

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