(※写真はイメージです/PIXTA)

全国学力テストのランキング上位の秋田県では、「少人数学習推進事業」「学習状況調査」などさまざまな施策によって学力を押し上げたとされ、メディアにも好意的に取り上げられるています。一方で、東大合格率や大学進学率を見ると、低迷していますが、それはどうしてなのでしょうか。精神科医の和田秀樹氏の著書『アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉』(大和書房)で解説します。

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小学生時代で成績が頭打ちになる子の特徴

■もっと勉強をしなさい

 

文部科学省が発表した全国学力テストのランキング(2021年)では、小学生の成績が最もよいのは石川県、次いで秋田県、東京都、福井県、京都府となっています。

 

たとえば秋田県では、「少人数学習推進事業」「学習状況調査」などさまざまな施策によって学力を押し上げたとされ、メディアにも好意的に取り上げられるのを目にすることがあります。

 

一方で、東大合格率や大学進学率を見ると、秋田県や青森県は下位を低迷しています。要するに、小学校時代の学力が大学進学に結びついていないのです。これはいったいどうしたことでしょうか。

 

小学生の学力は、教育熱心な地域とそうでない地域の差が大きく表れます。教育に力を入れれば、その成果は確実に学力テストの点数に反映されます。

 

しかし、ここに落とし穴があります。

 

学力テスト上位の地域では、基本的に、「宿題をたくさん課す」など、詰め込み式のやり方で学力の底上げを図っています。

 

これは短期的には一定の成果を上げるのですが、長期的な効力は持ちません。効率の悪いやり方なのに根性だけで勉強していると、課題が難しくなったときに成績が伸びにくいのです。親が単なる根性論で「もっと勉強しなさい」と叱咤するのは、勇気をくじく言葉かけとなります。根性論で勉強させても、必ず成績は頭打ちとなります。

 

秋田県内の高校では、大手進学塾のアドバイスを受けた結果、東大合格者数が大幅にアップしたという事例があります。勉強は根性論ではなく、テクニックで決まるということが、はからずも証明されたわけです。

 

勉強は苦しいことも多いですが、そこで苦を感じないように工夫するところに勉強をする一つの意味があります。

 

苦しい課題を工夫によって切り抜ける経験は、大人になってから仕事などで必ず役に立ちます。苦しい課題を解決できる人は、周囲の人や職場から必要とされ、出世したり事業に成功したりしています。ですから、親としては苦しい勉強を一方的に強いるのではなく、工夫が大切であることを教える必要があるのです。

 

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