(写真はイメージです/PIXTA)

マンション管理費や修繕積立金を滞納する人が増えています。無対策のまま放置すると、時効が成立し請求できなくなる場合も……。本記事では、不動産法務に詳しいAuthense法律事務所の森田雅也弁護士が、滞納者増加の背景やその予防策について解説します。

そもそも滞納させないために…オーナーができる予防策

マンションの管理費等の滞納を防ぐには、どういった対策があるでしょうか? ここでは、考えうる予防策を紹介していきます。

 

①徴収方法を「口座振替」にする

 

すでに導入されているマンションも多いかもしれませんが、管理費等をその都度の振り込みとするのではなく、口座振替とする方法です。その都度の振り込みとした場合には、うっかり振込手続を忘れてしまったことにより滞納がなされるケースがあると考えられます。

 

一方で、口座振替の場合は自動で引き落とされるため、振込忘れを避け管理費等を徴収することが可能です。

 

さらに、引き落とし日の数日前に、引き落としを知らせる張り紙や手紙の投函などを行えば、残高不足で振替ができなくなるような事態を防ぐことができます。

 

②管理費等がなぜ必要なのか説明する

 

各区分所有者に管理費等が必要な理由をきちんと説明をすることも、滞納を防ぐことにつながります。

 

管理費等の存在はマンションの購入時に説明されますが、その管理費等がなにに使われており、滞納をすることでどのような問題につながるのかきちんと理解していない人は少なからずいます。管理費等の重要性を理解していないばかりに、安易な気持ちで支払いを怠る人もいるかもしれません。

 

そのため、収支報告の資料とは別に、区分所有者にとってわかりやすいことばで管理費等の用途を説明するといいでしょう。

 

③「管理規約」の工夫

 

管理規約を工夫することも、管理費等の滞納を防ぐ方法の一つです。

 

たとえば、規約で遅延損害金について規定したり、滞納した管理費等を裁判手続等により請求する場合にかかる弁護士費用等を滞納者が負担する旨を規定したりすることが考えられます。

 

④遅延損害金など「ペナルティ」の周知

 

規約上に規定した滞納時のペナルティを周知することも、滞納の予防策となります。仮に滞納した場合の遅延損害金の計算例を示すのも一つの手です。

 

ペナルティを周知することで、安直な滞納を防ぐことにつながります。

 

⑤滞納発生時の「早期対処」

 

滞納が発生した場合は、放置することなく早期に対応することが、滞納の連鎖や長期化を防ぐことにつながります。滞納したけど問題にならないという状況では、滞納が再発してしまったり他の区分所有者にも滞納が広がってしまったりする可能性が高くなるためです。

 

滞納が生じたら早期に対応できるよう、滞納時の対応についても管理規約に盛り込んでおきましょう。

 

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本記事はAuthense不動産法務のブログ・コラムを転載したものです。

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