(※画像はイメージです/PIXTA)

子どもが「第一志望合格」という目標にまっすぐ進めるように、親子でプロジェクトを立ち上げるます。受験までの時間を逆算して、スケジュール管理、タスク管理をして、子どもが受験勉強に集中できる体制づくりが必要だといいます。塾なしで長男を志望校に入学させた塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)で解説します。

早い時期から志望校選びをするメリット

話は少しそれますが、私自身は、地方の県立高校出身者です。中学生当時、受験可能だったのは、学区内の県立高校と私立の2校だけ。結局、私立高校は受験しなかったので、実際に受験したのは1校だけでした。これは少し極端な例ですが、現在も大都市圏ではない地方では、まず高校の数が少なく選択肢はそう多くありません。

 

一方東京は、私立高校となると180校ほどあるともいわれており、息子の受験時も、選択肢が多すぎる現状に驚きました。

 

受験生にとっては、贅沢な状況のように思えますが、「選択肢がたくさんある」ということは、選び出すのに時間がかかるということ。首都圏や大都市圏に住む受験生は、情報収集・情報精査から選択まで、対象となる学校が多ければ多いほど時間がかかります。早めに希望条件を絞り込んで、候補となる高校を洗い出しても、それらをひと通り調べようとするとかなりの時間を要します。

 

名前や世間的なイメージと実際の校風や学校生活が違っていることもあるでしょう。そのことを見極めるためにも、丁寧に学校選びをしていきましょう。これが、勉強時間以外にかかる大切で必要な時間となります。

 

受験を見据えて、中学1、2年時から学校訪問などを始める子もいます。息子は、最終的にトータルで、4校(都立1校、私立3校)を受験しましたが、候補になった学校を含めると、実際に足を運んだ学校は、中3の6月以降、全部で9校(都立3校、県外1校、私立5校)でした。

 

高校入試では、平均2、3校を受験する子が多いようですが、その2校に絞り込むには、少なくともその倍以上の学校を調べることになるでしょう。学校訪問の日程は重複することも多いですから、同日に二校重なった場合は、親子で分担するなどしました。

 

今思うと、もう少し早い時期、中2頃から少しずつ情報収集を始めておけばよかったなと思います。そうしておけば中3の夏以降、時間的にもっと余裕を持てたからです。学校を実際に訪問することは大切なので行くべきですが、勉強の時間が削られることになります。加えて説明会や模試が重なれば、本人は疲れます。疲れた状態では、受験勉強ははかどらず、体調不良の心配も出てきます。

 

見学できる学校は中1、中2のときに見ておき、参加可能なオンライン説明会などを済ませておけば、中3の1年間は時間にゆとりができます。特に本命でない検討校は、できるだけ中3の夏までに情報収集を済ませて、秋以降にハードスケジュールになってしまうことは、経験上、できれば避けるほうがよいでしょう。

 

もうひとつ、志望校を早いうちに決めることにはメリットがあります。それは、入れる学校ではなく、入りたい学校に妥協せずチャレンジできることです。受験が近づいた時期に、偏差値ランクやガイドブックから、自分の学力に見合った学校を探すと、限られた学校しか選べません。

 

学力だけでない、自分の夢や希望をかなえるために進路を選べるよう、情報収集については、少しでも早く動き始めましょう。後々時間にゆとりができ、何より、目標をもつと子どもの学力は伸びます。

 

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    ※本連載は塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

    「塾なし」高校受験のススメ

    「塾なし」高校受験のススメ

    塚松 美穂

    プレジデント社

    たくさんの習い事に、塾を掛け持ちしている小学生。中学生になれば、学習塾にいくのが当たり前の世の中で、周りを見れば塾通いのクラスメートばかり。「塾にいかないと子どもたちは希望する進路に進めないのだろうか」という疑…

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