【関連記事】「タワマンを7000万円で購入した夫婦が…」銀行支店長の本音
「売却委任」を取るためには高く査定する
■「一括」「直接」どちらの査定にすべきか
査定には「一括」と「直接」があり、当社への依頼はどちらも多いです。
専門サイトに登録すると、複数社まとめて査定依頼ができます。こうした仕組みを使うことで一括査定ができます。
物件情報を打ち込むと、後日メールが届いて価格の提示がされます。この価格は会社によって異なると思います。
売却件数を稼ぎたい会社は高めの価格を提示しますし、売却依頼数よりもしっかり売れる物件が欲しい会社は現実的に売れる価格を提示するケースが多いでしょう。
ちなみに、当社は後者です。高めの価格を提示しても意味がないと思っているからです。
一般的には、一括査定に入っている不動産会社は、相場より少し高く提示するほうが多いと言えます。
ただ大前提として、一括査定で出せる価格はあくまで希望小売価格というイメージで、その価格で売れるとは限りません。
ですから、ユーザー側としては「高い査定=高く売れる」ではなく、「売却件数を取りたいだけのための価格なのでは?」と疑うことが大切です。
特に、相場より著しく高い価格を提示された場合は疑ったほうがいいでしょう。前述したような不動産会社が抱え込んで、3カ月経って売れないから下げることになります。
では、何のために一括査定に出すのか? そう思われた人もいるでしょう。
多くの不動産会社は、「売却委任を取るためには高く査定をしたら依頼をしてくれるだろう」と思っているため高く査定をしてしまいます。
そして、3カ月間付き合って人間関係を構築し、徐々に金額を下げてもらいます。そもそも最初に提示した価格で売るつもりはく、「委任を取ることを大事にする」という考え方です。ただ私は、その3カ月間は必要ないと考えています。
大切なのは、「誰をパートナーに選ぶか」です。変な業者と取引したらトラブルに巻き込まれます。売る側の不動産会社に問題があったら、買主さんから訴えられるリスクもあります。ですから、付き合う業者は慎重に選ぶべきです。