※画像はイメージです/PIXTA

不動産売却を成功させるためには、売却のタイミングが重要です。タイミング次第で売却の条件は変わり、スムーズに売れるかどうかも違ってきます。どう考えればいいでしょうか。不動産売却実績4000件の新川義忠氏が著書『速く、高く、不安なく!トータルで収益を増やす“不動産売却”の極意』(ごま書房新社)で不動産売却のコツを解説します。

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売却を考えるタイミングはいくつかある

■出口のタイミングとは?

 

「購入時にどのような出口があるのか意識することが大切なのはわかったけれど、実際にいつ売却をしたらいいのか」という質問を受けます。

 

一般的に売却を検討するタイミングには、いくつかあります。

 

その一つに大規模修繕があります。例えば、そろそろ屋上防水や外壁塗装をしなくてはいけない……となれば、多額の費用がかかります。

 

小ぶりな木造アパートならまだしも、大規模なRC造マンションともなれば何千万円もかかるケースがあります。

 

その際は大規模修繕にかかるコストと、大規模修繕によって上がる家賃(家賃が上がらないこともあります)、今後に得られる家賃などを計算して、所有し続けるのがいいのか売却したほうがいいのかを検討する必要があります。

 

ただし、業者視点から言えば、高く売れるのは大規模修繕後です。

 

自分がどんな物件を買いたいと思うのか振り返ってみてください。自分が欲しいと思う物件に近づけたほうが高く売れるものです。

 

続いては税務的な理由です。

 

個人所有の場合は、売却益に対して譲渡税が課税されます。

 

その譲渡税は所有期間によって変わります。5年以下(短期譲渡)では40%近い税率となり、5年超え(長期譲渡)では20%となり倍も違いますので、長期譲渡のタイミングで「この物件は今ならいくらで売れるか」「残債と税金を支払った後の手残りはいくらか」を調べて、高く売れるようであれば売却を検討するのも一手です。

 

税金理由でいえば、減価償却が切れたタイミングで売却を検討する投資家さんも多いです。減価償却とは、経年劣化(時間や使用による劣化)によって価値が減っていく資産を、必要経費として計上することを言います。

 

不動産投資の場合では建物が減価償却の対象となります。その際に目安となるのは前述した法定耐用年数です。法定耐用年数22年の木造アパートを築12年で購入したら、残耐用年数は10年となり、建物の価格を10年かけて減価償却していくイメージです。

 

すると10年後には償却が終わり、経費計上できる費用がなくなります。そうなると、家賃収入がまるまる利益になってしまい(管理費用や修繕費は経費計上できます)、多額の税金がかかってしまいます。

 

この減価償却が終わったタイミングに築22年経った木造物件を売って、減価償却ができる新しい物件を購入することを検討します。

 

私の考えは、高く売れるのであれば、より新しい物件・資産価値の高い物件に入れ替えるのもいいですし、その物件が安定的に収益をもたらしてくれるのであれば、売らずに新たに減価償却のできる物件を購入しても良いかと思います。

 

次ページ一番高く売れるのは自分が売りたくないとき

※本連載は新川義忠氏の著書『速く、高く、不安なく!トータルで収益を増やす“不動産売却”の極意』(ごま書房新社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

速く、高く、不安なく!トータルで収益を増やす“不動産売却”の極意

速く、高く、不安なく!トータルで収益を増やす“不動産売却”の極意

新川 義忠

ごま書房新社

不動産投資において、「売却」は不可欠なものです。そもそも不動産投資には「家賃収入によるインカムゲイン」「売却時の利益、キャピタルゲイン」と2つの利益があります。 安く買って、高く売れば利益になりますが、10年前に…

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