融資されやすい会社になるための「創業後の習慣」【資金繰りコンサルが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

資金調達が最大の課題となる創業1、2年の間になるべく多くの借入をして手元資金を増やしておくとことで、資金繰りに追われることなく、売上アップに注力できる仕組みづくりに集中でき、結果として経営を早く軌道に乗せることができるようになります。資金調達アドバイザーの田原広一氏が、融資を受けるために実践してほしい「創業後の習慣」について解説します。

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創業後は、金融機関に「試算表」を定期的に提出すべし

首尾よく創業融資を引き出し、さまざまな手続きも一段落がつくと、小さな会社や個人事業主は、とかく目の前の業務に忙殺されがちです。

 

そこで当初の目標の進捗度合をチェックし、融資の備えをしていくうえで習慣づけたいのが、信用金庫に試算表を送付することです。

 

試算表とは、日々の売上や仕入、経費などの取引が正しく帳簿に転記されたかどうかを月次でチェックするために作るものです。

 

決算期末になってから、取引の記帳のミスに気づいても、遡って間違いを発見するのは大きな作業負担となります。そこで月ごとに、試算表を作成し、途中経過が正しいかを確認するわけです。

 

税理士と年間顧問契約を結んでいる会社ならば、基本的に毎月、あるいは数ヵ月ごとに作成した試算表が送られてきます。もちろん自分でも、会計ソフトを使えば専門的な知識がなくても、比較的簡単に作成することができます。

試算表を定期的に送ることのメリット

試算表の提出先は公庫の融資を着金した信金でもいいですし、あるいはほかの金融機関でもいいでしょう。

 

なぜ頼まれてもいないのに、試算表を定期的に送る意味があるのでしょうか。

 

一つ目の理由は、定期的に情報開示をしておくことで、融資を受けられるチャンスが増えることです。

 

金融機関が中小企業の融資に及び腰になる理由の一つに、四半期ごとに決算発表を行う上場会社と違って、情報開示が不足している点が挙げられます。

 

特に中小企業は取引先も少なく、手掛ける事業も限られるため、ちょっとした外的要因により、業績が大きくブレるリスクがあります。

 

創業後3ヵ月の業績が好調でも、次の月には売上が急下降するようなこともまま起こり得るのです。

 

そこで、金融機関への“安心材料”として、年度(期)途中の財務状況、経営状況を開示する“プレ決算書”として、試算表を提示するわけです。

 

金融機関は、いい会社には積極的に融資をしたいと考えています。その融資提案のきっかけづくりとして、定期的に試算表を送付するのは有効な方法の一つなのです。

 

二つ目には、金融機関からの信頼感が得られることが挙げられます。

 

例えば決算時に数字を粉飾しているような会社は、年度途中の業績の推移はできるだけ明るみにしたくないと考えるはずです。定期的に数字を提示しておけば、金融機関としては最終的な決算との内容の整合性も取ることができ、“ガラス張りの経営をしている会社”というクリーンなイメージにもつながります。

 

ちなみに、すでに融資を受けている金融機関から、現状の業績を確認するために、「最近の試算表を提出してほしい」と言われることもあります。その際も速やかに提出できるよう毎月、試算表を作成しておけば、すでに付き合いのある銀行との信頼関係にもつながります。

 

三つ目には自社の経営状況の理解が深まる点が挙げられます。試算表を定期的に見る習慣がつけば、平均的な数字から大きく増えた科目や逆に減った科目などの変化、異常値も一覧で見ることができるため、いち早く会社の異変に気づくことができます。

数字に大きな増減・変動があったら、担当者に直接報告

試算表を提出する際には、チェックされるポイントについても押さえておきましょう。決算書のチェックポイントにも通じますが、特に途中経過として重視すべき項目は、

 

●売上債権の推移(特定の得意先からの回収が滞っていないか)

●仮払金・貸付金が増えていないか(役員貸付金が長く放置されていないか)

●借入金はどうか。返済は予定どおり行われているか。他行との取引状況はどうか

●売上、利益の季節変動、サイクルはどうか

 

などが挙げられます。

 

もし数字に大きな増減、変動があった場合には、銀行の担当者にその原因、今後の見通しなどを説明しておくのがベターです。

 

普段は郵送での送付で構いませんが、半年に一度、あるいは説明すべき事態が発生したときには、直接、担当者のもとに試算表を持参し、コミュニケーションを図っておくことも、長いスパンでお付き合いを継続していくうえで大事な作業です。

 

試算表や決算のタイムリーな報告が大事なことだと分かっていても、実際にやっている会社は少ないものです。差別化を図り、評価アップにつなげるためにもぜひ実践してください。

 

 

田原 広一

株式会社SoLabo 代表取締役

 

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株式会社SoLabo 代表取締役 税理士有資格者

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。

平成24年8月以降、副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。

平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。お客様の融資支援実績は、累計4,500件以上(2021年7月末現在)。

自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。実体験を踏まえたアドバイスは多くの起業家から支持されている。

著者紹介

連載独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣

※本連載は、田原広一氏の著書『賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

増補改訂版 独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣

増補改訂版 独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣

田原 広一

幻冬舎メディアコンサルティング

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