医師が教える「太りやすい体質、太りにくい体質」の決定的差

「肥満症」とマイクロバイオータの関係

医師が教える「太りやすい体質、太りにくい体質」の決定的差
(※写真はイメージです/PIXTA)

花粉症や喘息、アトピーなどのアレルギー性疾患、肥満症やそれに伴う糖尿病、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患、うつ病、自閉症、過敏性腸症候群…これらは、21世紀になってから急激に増加している病気です。急増している原因はいくつか考えられますが、中でもマイクロバイオータ(ここでは腸内細菌叢〔腸内フローラ〕を指します)との関連性が注目されています。今回は、糖尿病や動脈硬化性疾患、がんなど、さまざまな慢性疾患の原因となる「肥満症」について、マイクロバイオータとの関係を見ていきましょう。※本連載は、小西統合医療内科院長・小西康弘医師による書下ろしです。

「食物繊維」をしっかりと摂ることが重要

では、善玉のマイクロバイオータを育てるためにはどうすればいいのでしょうか?

 

「やせ菌」と言われるバクテロイデス菌を増やすためには、食物繊維を多く摂ることが重要だと書きました。実はアッカーマンシアも同じように食物繊維を摂ることが重要であると分かっています。高脂肪な餌を与えて太らせたマウスでは、アッカーマンシアは減りますが、餌に食物繊維をたくさん加えるとアッカーマンシアはまた増え体重が減ることが分かっています。

 

今回の記事では、糖尿病やさまざまな動脈硬化性疾患の原因となる「肥満症」は、単に摂取するカロリーや消費するカロリーの差し引きだけでは説明できないことを解説しました。そして、もう一つの重要な条件としてマイクロバイオータの状態が大きく影響するということをお話ししました。

 

「野菜をたくさん摂りましょう」というのは皆さん一度ならず聞いたことがある言葉だと思いますが、近年のさまざまな研究からも、食物繊維をしっかりと摂り、善玉のマイクロバイオータをしっかりと増やすことが非常に重要であると証明されているのです。

 

 

21世紀になって著明に増えている「肥満症」も食物繊維の摂取量の低下と密接に関係しています。この記事が、普段の食事を見直すきっかけになれば幸いです。

 

マイクロバイオータと21世紀病との関係についての2回目の記事はいかがだったでしょうか。次回は、マイクロバイオータがうつ病などの精神的な疾患や自閉症にも密接に関係しているということについてお話しします。

 

 

小西 康弘

医療法人全人会 小西統合医療内科 院長

総合内科専門医、医学博士

 

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