医師が教える「太りやすい体質、太りにくい体質」の決定的差 (※写真はイメージです/PIXTA)

花粉症や喘息、アトピーなどのアレルギー性疾患、肥満症やそれに伴う糖尿病、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患、うつ病、自閉症、過敏性腸症候群…これらは、21世紀になってから急激に増加している病気です。急増している原因はいくつか考えられますが、中でもマイクロバイオータ(ここでは腸内細菌叢〔腸内フローラ〕を指します)との関連性が注目されています。今回は、糖尿病や動脈硬化性疾患、がんなど、さまざまな慢性疾患の原因となる「肥満症」について、マイクロバイオータとの関係を見ていきましょう。※本連載は、小西統合医療内科院長・小西康弘医師による書下ろしです。

【関連記事】花粉症などが急増…「免疫系の病気になる人、ならない人」の“意外な差”が分かってきた

ここ40年間、「肥満人口」は増加の一途

イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンと世界保健機関(WHO)の共同研究で、世界の186ヵ国を対象にBMI(体格指数)を調べた最新の調査によると、BMIが30以上を肥満と定義した場合、世界の肥満人口は1975年から40年間で急速に増えており、6億4,100万人(男性2億6,600万人、女性3億7,500万人)に達したということです。肥満の割合は、男性は3倍以上の11%に、女性は2倍以上の15%に上昇しています。

 

日本肥満学会の判定では、WHOの基準とは異なりBMIが25以上で「肥満」とされていますが、男性の28.7%、女性の21.3%が該当しており、いずれも1975年に比べて割合が増えています。

 

肥満は単に体型の問題にとどまらず、糖尿病、動脈硬化疾患、がんなどのリスク要因となります。肥満を克服することは、慢性疾患を予防する上でも非常に重要な問題なのです(肥満と慢性疾患の関係については別の記事で取り上げます)。

 

■肥満が増えた原因は「生活習慣や食事内容の変化」では説明しきれない

肥満症の原因としては、普通は高カロリー、高脂肪、高糖質の食事が原因であるとされ、近年急速に増えている理由として、生活習慣や食事の内容の変化が原因であると説明されることが多いのですが、事実はそれほど単純ではありません。

 

英国での全国食料調査では、第二次世界大戦後、摂取カロリー、脂質と糖質の摂取量は減っているというデータがあります。それにもかかわらず肥満人口は増加の一途をたどっています。米国でも同様の疫学調査があります。それ以外のいくつかの調査でも脂質や糖質の摂取量とBMIとは関連性がないことが指摘されています。

 

だからといって、いくらでも脂質や糖質を摂っていいということではありませんが、それ以上に肥満を規定している他の要因があることが分かります。では、その「他の要因」とは何なのでしょうか?

 

体重増加に関連する要因の一つとして「食物繊維の摂取量の低下」が分かっています。世界的に見て、食物繊維の摂取量が低下している国ほど体重増加が大きいという関連性があるのです。

 

ここで「ああ、食物繊維は脂質や糖質の吸収を妨げるから当然だね」と思われた方もいるでしょう。確かに食物繊維をしっかり摂ることで、吸収されるカロリーは低下します。しかし食物繊維の役割はそれだけではないのです。

医療法人全人会 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医
医学博士

京都大学医学部卒業。天理よろづ相談所病院・京都大学消化器内科などで内科全般を研修し、消化器内科を専門とする。内科医として約20年病院勤務。現在は、小西統合医療内科院長として、機能性医学を柱とした統合医療の立場から診療に携わっている。

【小西統合医療内科HP:https://www.konishi-clinic.com/

機能性医学に関する情報をFBなどで発信しています。
下のリンク集をご参照ください。
https://lit.link/doctorKonishi

著者紹介

連載自己治癒力を高めるための機能性医学

自己治癒力を高める医療 実践編

自己治癒力を高める医療 実践編

小西 康弘

創元社

病気や症状は突然現れるのではなく、それまでの過程に、自己治癒力を低下させるさまざまな原因が潜んでいます。だからこそ、対症療法ではなく根本原因にまで遡って治療を行うことが重要なのです。 本書では、全人的な治癒を…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧
TOPへ