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自社、事業にあった戦略パターンの選択
既存事業であれ新規事業であれ、それぞれに戦略が必要になります。
戦略パターンは、大きく分けると(1)ポジショニング派(外部環境重視派)、(2)ケイパビリティ派(内部能力重視派)、(3)アダプティブ派(適応重視派)、(4)その他となります。
(1)ポジショニング派(外部環境重視派)
ポジショニング派では、市場の成長性や収益性等主として外部事業環境の良し悪しとそれに対応する戦略を重視します。
ポジショニング派の代表格はマイケル・ポーターの競争戦略です。ポーターは、ビジネス競争の世界では、基本的に3つの戦略に集約されるとしました。すなわち、①低コストを武器にマーケットシェアを取るコストリーダーシップ(低価格戦略)と②多少コストを掛けても顧客に違いを認めてもらう差別化戦略、そして、③マーケット全体ではなく、特定セグメントにフォーカスをするフォーカス戦略(集中戦略)の3つです。
その後、フォーカス戦略も、③-1差別化フォーカスと③-2コストフォーカスに2つに枝分かれさせました。自動車で言うと、価格の安い軽自動車メーカーはコスト集中、ポルシェなどのスポーツカーメーカーは差別化集中となります。
その他のポジショニング派には、差別化度合いを強めて新しく競争のない土俵を作ろうというブルーオーシャン戦略等もあります。
(2)ケイパビリティ派(内部能力重視派)
一方ケイパビリティ派は、いくら外部環境が魅力的でも自社が保有する能力(ケイパビリティ)に合っていなければ、事業としての持続的成功は難しいとして、自社の能力を重視した戦略論を唱えます。
代表格には、ハメルとプラハラードのコア・コンピタンスやバーニーのVRIO(ブリオ)があります。
コア・コンピタスは、「顧客に対して、他社にはまねのできない自社ならでは価値を提供する企業の中核的な力」として、①顧客価値の実現、②独自性、③企業力の拡張性の3つの条件が挙げられています。アップルの「世の中にない革新的な商品を開発する力」等がその例とされます。
また、バーニーのVRIOでは、Value(経済的価値)、Rarity(希少性)、Imitability(模倣困難性)、Organization(組織)の4要素が揃っていれば、持続的な競争優位(サステナビリティ)が維持できるとしています。
(3)アダプティブ派(適応重視派)
事業環境変化が激しく、予想困難で、自社が市場に与える影響が少ない場合は、とにかく環境変化に対応して柔軟に試行錯誤することがベストだとして、アダプティブ戦略を取ることが推奨されます。アダプティブ戦略を取る場合は、いちいち事業計画を立てている余裕などありません。
(4)その他
その他は、上記の3つに分類されにくいもので、上得意客を囲い込む顧客囲い込み戦略や、事実上の標準を取りにいくデファクトスタンダード化戦略、M&Aで事業拡大するM&A戦略、小売業特化型のエリアドミナント戦略、大規模ショッピングモール展開戦略等いろいろな戦略パターンがあります。
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