「FIRE」を目指す…早期退職者のライフプラン
秋川良信さん(仮名)45歳、会社員・個人投資家
子ども:19歳(離婚した妻と同居)
家計の状況
年収:800万円
●月額の保険料:7,500円
■子どもの就職が決まるまで死亡保障は継続医療保険は不要
みなさんは「FIRE」という言葉を聞いたことがありますか? 火事じゃないですよ。これはアメリカではやっていることで、「経済的に自立することで、早期に退職する生活スタイル」のことです。
ワークライフバランスという考え方が普及して久しいですが、現実の日本では仕事優先感が否めません。
秋川さんは45歳の独身男性ですが、貯蓄が5000万円に達したこの機会にFIRE を実践、セミリタイアしたいと思っています。
これまで貯蓄することを優先してきたので、それほど多くの保険に加入していません。別居している子どもが受取人の定期保険1000万円と、1日あたり5000円の医療保険の2本です。お子さんの死亡保障に関しては、就職が決まるまでは続けてください。
保険は貯蓄では対処できない分を、保険料というお金を保険会社に払うことによって、いざというときに、保険金を受け取るものでしたね。
医療保険は、解約してもよいと思います。終身払いの医療保険だと、今後支払う保険料の合計は軽く100万円を超えます。入院給付金を100万円分、受け取るのはまず無理でしょう。
子育てが終わると、保険も卒業です。もし、保険がなくなることに不安をお持ちの場合は、就業不能保険を検討してもよいでしょう。
再雇用で働く…定年後のライフプラン
夫:宗方雅夫さん(仮名)62歳、再雇用
妻:真理子さん(仮名)60歳、パート
家計の状況
夫の年収:300万円
妻の年収:100万円
●月額の保険料:4万700円
■一生涯を通じて支払う保険料の総額を考えて
宗方さんは2年前に定年退職を迎え、現在は再雇用されて、週5日働いています。現役時代に加入していた定期保険特約付終身保険は、すでに保険料を払い終わり、200万円の終身保険のみ残っています。
定年退職を機に、老後のことがあれこれ心配になり、多くの保険に加入してしまいました。妻と2人分の保険料は、1ヵ月に4万円を超えています。加入したときは、「これで老後は安泰だ」と思ったのですが、もし90歳までの30年間にわたって保険料を払い続けると、1465万円にもなってしまうと知り、仰天しました。
今は仕事があるので、保険料を払っていけますが、年金生活になって払い続けられるのか不安です。宗方さんは退職金と貯蓄の合計が3000万円以上ありますから、保険に加入するのではなく、貯蓄で備えるほうがよいと思います。そうしないと、貯蓄のうち半分が保険料に消えてしまいますよ!
もちろん、入院時には心強いとは思いますが、入院する確率は低いですし、わずか60日間の保障しかありません。一生涯を通じて払う保険料の総額を冷静に考えてください。
保険を解約するときは、今まで保険料を払ったのに、すぐに病気になるかもしれない、などあれこれ不安に思うものです。しかし、今回は妻の医療保険を除いて解約することにしました。
長尾 義弘
ファイナンシャルプランナー
横川 由理
FPエージェンシー代表
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